川島永嗣 Vol.1 俯瞰

PROFILE

かわしま・えいじ
1983年3月20日、埼玉県生まれ。2001年、浦和東高校から大宮アルディージャに入団。その後、名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)、川崎フロンターレを経て、2010年にベルギーのリールセへ移籍。2012年からはスタンダール・リエージュでプレーしている。日本を代表するゴールキーパーの一人。

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川島永嗣 Vol.1 俯瞰 PROFILE:かわしま・えいじ 1983年3月20日、埼玉県生まれ。2001年、浦和東高校から大宮アルディージャに入団。その後、名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)、川崎フロンターレを経て、2010年にベルギーのリールセへ移籍。2012年からはスタンダール・リエージュでプレーしている。日本を代表するゴールキーパーの一人。


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常に全体を見渡し、状況を把握しておく ゴールキーパーはすべてを「目」で見ている。敵はどこにいるか、味方はどこにいるか。シュートの回転は。キャッチするのか、パンチングで弾くのか。川島永嗣が語る「見ること」の重要性。ゴールキーパーと「目」の密接な関係を紐解くことで、その類まれなプレーの裏側にある真実が見えてくる。川島は言う。「スパイク、グローブ、そしてコンタクトレンズ。この3つさえあればサッカーができる」と。

常に全体を見渡し、状況を把握しておく ゴールキーパーはすべてを「目」で見ている。敵はどこにいるか、味方はどこにいるか。シュートの回転は。キャッチするのか、パンチングで弾くのか。川島永嗣が語る「見ること」の重要性。ゴールキーパーと「目」の密接な関係を紐解くことで、その類まれなプレーの裏側にある真実が見えてくる。川島は言う。「スパイク、グローブ、そしてコンタクトレンズ。この3つさえあればサッカーができる」と。

ゴールキーパーにとって「見ること」は他のポジションの選手以上に重要ですか?

かなり大事だと思いますね。遠くまで見えることもそうですし、プレーのギリギリまで見ていなくてはいけません。単純に「見る」だけでなく、目の反応という意味でも大事です。ゴールキーパーは試合中、常に味方に指示を出しています。

試合中に集中が切れることはありませんし、ボールだけでなく、常にグラウンド全体を見渡して、状況を把握しておく必要があります。

川島選手がコンタクトレンズを使い始めた時期と、そのきっかけを教えていただけますか?

高校2年生のときですね。当時、裸眼の視力は0.6ぐらいだったんですが、遠近感の問題でクロスボールやロングボールをキャッチしづらいと感じるようになって、当時のコーチに相談したら「コンタクトレンズを試してみたらどうだ?」と言われて。それがきっかけでした。

今では僕が練習や試合、遠征などに行くとき、第一優先で絶対に持っていくモノがスパイク、グローブ、そしてコンタクトレンズです。逆に言うと、この3つさえあればサッカーができるという感覚ですね。

初めてコンタクトレンズを付けたときはいかがでしたか?

初めて星が点なんだと思いました(笑)。ずっとぼやけて見えていたので。「星って点なんだ」「相手ゴールのネットってこんなにくっきり見えるんだ」と、本当に驚きましたね。プレーの面でも、ボールがどこにあっても、どんなに遠くから飛んできても、まったく気にならなくなりました。チームメイトに指示を出す際も、遠くまで見えるようになったことで指示も出しやすくなりましたし、指示の内容も、それまでとは変わったと思います。

Photo:Kaoru WATANABE

コンタクトレンズの重要性が分かりました。実際のプレー中にどこを見て、
どのように対応しているのかをお聞きしたいのですが、試合中はグラウンド全体を俯瞰して見ているんですか?

もちろん、プレーは目で追っていますが、チームメイトに指示を出すために、ボールがないところを見ていることの方が多いと思います。そのため、自分のチームがゴールしたとき、だれが点を決めたのか分からないこともあります。

相手の攻撃のときも同じですね。常にボールは見ていますが、同時にボールを持っていない相手選手がどこにいるのか、どこを狙っているのかも見ています。あらゆる情報をキャッチして、味方に指示を出したり、自分のポジショニングを変えたりするので、直接視野だけでなく、間接視野で見ていないといけない部分もあります。

川島選手がボールをキャッチして、自分のチームの攻撃に移るときはどこを見ていますか? 自分がパスを出す選手を見ているんですか?

その一つ先を見ますね。
その選手に出したら、次はどこにパスコースがあるのかまで見るようにしています。
相手にケアされていて、次の選択肢がない選手には出さないようにしていますし、ロングボールを蹴る場合でも、次のプレーにつながるようなところにフィードするようにしています。

マイボールになるか、相手ボールになるか、そういうフィフティフィフティのところに蹴るのではなく、そのあとに自分たちがどういうふうにボールをつないでいけるのかまで見ています。

Photo:Kaoru WATANABE

川島の三種の神器その壱 スパイク

ベルギーのグラウンドは緩いので、しっかり刺さるように長めのスタッドを使用しています。
それで多少重くなっても気にならないですね。
とにかく滑らないことが大事です。

川島選手がボールをキャッチして、自分のチームの攻撃に移るときはどこを見ていますか? 自分がパスを出す選手を見ているんですか?

その一つ先を見ますね。

その選手に出したら、次はどこにパスコースがあるのかまで見るようにしています。
相手にケアされていて、次の選択肢がない選手には出さないようにしていますし、ロングボールを蹴る場合でも、次のプレーにつながるようなところにフィードするようにしています。

マイボールになるか、相手ボールになるか、そういうフィフティフィフティのところに蹴るのではなく、そのあとに自分たちがどういうふうにボールをつないでいけるのかまで見ています。

Photo:Kaoru WATANABE

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