シーズンを振り返って
こんにちは!澤穂希です。
先日、WPS(アメリカ女子プロサッカー)で2シーズン目を終えて帰国してきたところです。
まだ時差ボケでもうろうとしてます(笑)。
所属するワシントン・フリーダムはリーグ戦を4位で終え、プレーオフに進出しました。
しかし、9月19日に行われたプレーオフ1回戦はアウェーでフィラデルフィア・インディペンデンス(リーグ3位)と対戦し、延長戦の末、0-1で敗れてしまいました。
私は後半途中からの出場でした。
「中盤でしっかりボールをポゼッションするように」という指示を受け、いつもどおり全力を尽くしました!
でも結果は敗戦…。正直、なぜ先発でなかったか、納得のいかない部分もありましたし、残念な最終戦になってしまいました。
優勝したFCゴールドプライドは、ほかのチームに比べ決定力があり、得点力の高さを感じました。
私も何度も対戦しましたが(4戦して2分2敗)、カナダのシンクレア選手とブラジルのマルタ選手の2トップはチーム戦術にピタリとハマっていました。
FCゴールドプライドのチームメイトもボールを奪ったらまずこの2人に渡すという、チームとしての決まりごとがあったように見えました。
それがチームとしての統一感を生み、その期待に応えるかのようにシンクレア、マルタのコンビネーションもほかのどのチームより強力でしたね。
ワシントン・フリーダムでの今シーズンを振り返ってみると…しんどい1年でした。
長いシーズン期間、1か月に7試合が組み込まれることもあった日程、飛行機を中心とした移動に次ぐ移動。
正直、疲労を感じることも多く、チームメイトみんなも「疲れた」と言っていましたから。
さすがにこれは日程を考え直した方がいいのでは?と思う時もありました。
加えて引き分けが続いたりと、勝利を得られない期間があったこともあり、楽しさだけでなく苦しい時間を経験したことも事実です。
私自身、ひょっとしたら1年目の方が緊張感を持ててプレーできていたかもしれません。
決して楽しいことばかりでなかった今シーズンですが、無事乗り越えられたのはやはり仲間がいたからでしょう!
日テレ・ベレーザの近賀(ゆかり)や大野(忍)とはよく連絡を取り合ってました。大野とは1時間以上話したり、メールで近況報告やチーム状況を伝え合ったりしてました。
欧州組では永里(優季)とはたまに連絡をとっていましたね。
もちろん普通に私生活の話やくだらない話とかもして…(笑)。
でもそれがとてもリフレッシュになったんです。
やはりなでしこの仲間たちは世界どこにいても仲間なんですね。
そして、なでしこ、といえばU-20女子ワールドカップに続いて行われたU-17女子ワールドカップ。
準優勝という結果はすごく嬉しかったです!
私は少ししか見られていませんが、やろうとしているサッカーは決勝の相手、韓国よりもはるかに明確でしたね。
戦術、技術、組織力はどのチームより優っていたと思いますし、加えてこれだけの結果を出したことを誇りに思います。
今回の若いメンバーたちは、準優勝という結果で得た自信を、これからの長いサッカー人生にいかしていってほしいですし、今後なでしこの中心選手になって世界の頂点に近づいていってほしいと期待しています。
もちろんその時は、私もいっしょにいたい(笑)!
▼関連リンク
澤選手自身が女子サッカーのすべてを説き明かした自著『直伝 澤穂希』
※本コラムは隔週更新予定です。サッカーをしている女性で澤選手への特に技術的な質問を大募集中。こちらまでお寄せください。