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テセ通信:次なる夢に向かって(11-12編) by 鄭大世

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調子の維持へ“開眼”「マイナス思考から生まれるプラスの結果は皆無」
by 鄭大世

『テセ通信-次なる夢に向かって-』(11-12編vol.5=11月9日)

川崎Fからドイツ2部のボーフムに移籍した北朝鮮代表FW鄭大世選手のコラム『テセ通信-次なる夢に向かって-』。川崎からドイツ、そして世界へ。リーグ戦の奮戦記を中心に、鄭大世選手の“想い”をお伝えします。

 みなさん、お久しぶりです。鄭大世です。僕は今、北朝鮮代表のW杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦(11日)のために、ウズベキスタンに来ています。今回、久しぶりの更新となりますので、まずはボーフムのリーグ戦のほうからお話しします。

 前回の代表戦から帰ってリーグ戦4試合とカップ戦1試合を消化しました。結果は3勝1分1敗、順位も11位と少し上がり、チームとしてはまあまあです。ですが、この1分は俺が決定機を1試合で2度も外し、10月11日の北朝鮮代表のウズベキスタン戦に続き、またしても責任を感じる結果となってしまいました。日本にいた頃は、これでメンタルが崩壊して、以降の試合に影響するところですが、今は全体的にすごく好パフォーマンスを維持できてます。

 得点はカップ戦でとった駄目押しゴールだけだったんですが、28歳になってきて自分の成長を感じるようになってきました。理由として挙げられることがいくつかあります。『精神的成長』や『自分に過度の期待をしない事』、『試合前のメンタルトーレニング』、そして最後は『乾貴士』との共存です。

 今までなかなか味わった事のない、長期間のレギュラー落ち、そして怪我による長期の離脱を半年間で味わいました。そこで悩みに悩み抜いた末に出た答えは、マイナス思考から生まれるプラスの結果は皆無だという事でした。

 次の『自分に過度の期待をしない事』ですが、試合が終わってゴールを決められなかっただけで将来に対して不安になる事と落ち込む事をやめる事を思いつきました。これで“まあ、こんなもんでしょ”って割り切る事ができ、翌日に引きずらずにまた明るい気持ちでサッカーができるようになりました。

 『試合前のメンタルトーレーニング』はその名の通り。前日の夜からイメージを、目をつぶってベッドに寝そべって浮かべる事で気持ちを試合に持っていく事ができます。最後は『乾貴士』という日本人選手と、日本とは遠く離れたドイツで共にプレーする事で弱いところを見せられないという責任感が生まれました。

 自分は、試合でうまくいかなくても落ち込んだ姿を見せないようにしているし、弱音も吐かないようにしています。逆に落ち込んでる乾を激励するようにしてます。色々な要素が絡んで今はゴール以外のところでは、好調を維持できています。これを1年間続けられたら本当に、精神的に成長したという事になりますね。

 でもやっぱりFWなんで、ゴール無くして評価される事はありません。それは今も昔も自分の中で変わらない答え。そのためには多少エゴイストにも成らなきゃいけないというのは、幾度となく語ったと思います。

 ただ最近の乾の凄さはドイツの新聞を見ていたら明らかでしょう。前節はなんとZweite リーグで最優秀選手になってましたね。奥さんと子供がドイツに来てたのも大きな要因の一つでしょう☆ 2試合とも彼の力が大きく勝利に影響しました。本当に俺も感謝してます。やっぱりボーフムで1部あがりたいので☆

 ただやっぱり、乾のかわいいところは態度に極端に出てわかりやすいところです。それは奥さんが見に来た試合前日のトレーニングから火を見るより明らかで、パフォーマンスが高かったです。よく走るし、守備のときも全力でやります。当然、試合のときも前節は今までで1番いい出来だったと思います。そこで俺は乾に言ってやりました。「家族を早くこっちに引っ越させれば」ってね。☆ このまま乾だけが活躍するんじゃなく、俺も活躍して、もとJリーガーコンビでボーフムを牽引していきたいと思います。

 ところで、今回のW杯予選ですが、昨日の深夜2時半にウズベキスタン空港に着き、空港についたときから激しいポジション争いをしながら2時間ほどかけて入国できました。詳しくはブログの方をどうぞ(http://ameblo.jp/jongtaese9/)。それにしても部屋の外のボイラーの音がうるさくて全然寝れなかったし、みんなより10時間ほど早くついてホテルで寝てて、朝ご飯は寝てしまって食べられず、結局は昼頃に起きたんですが、誰も呼びにこず……。かなり遅れた午後4時頃にようやくヨンハさん(柏MF安英学)に電話して一緒にご飯食べました。空腹は最高のソースであるというけど、その時ほどおいしく感じたスープはありませんでした☆

 とにかく、2連戦で厳しい戦いが待っていますが、ウズベキスタン戦ではゴールを奪って勝利に導きたいと思います。そして、その先には日本代表戦があります。こちらも、ゴールを奪いたいと思います。みなさん、応援よろしくお願いします。

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