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I PLAY FOR… ~大学サッカー・ゲキサカ連動企画~ by  

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Vol.2 順天堂大学監督 吉村雅文「大学サッカーならではの意義を伝えたい」
by  

 12月14日に全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)が開幕します。ゲキサカでは大学サッカー連盟と合同でコラム企画を実施。インカレに携わる人達の想いを全10回で掲載します。第2回はユニバーシアード競技大会(2013/カザン)にて全日本大学選抜監督を務め、同時に順天堂大蹴球部を率いる吉村雅文監督です。


I play for...『大学サッカー発展のため』
【理由】今回、『大学サッカー発展のため』と書かせて頂いた理由は、自分自身の成長や30年近くにも及ぶ長い時間を大学サッカーと共に歩んで来て、この年齢になり、自分が大学サッカーの発展に貢献できることを探していかなければいけないという想いが強くあったからです。


―そもそも指導者になったきっかけは何ですか?
「小さい頃からサッカーを続けてきた中で、指導者として子供たちに関わっていくことが当然だと思っていました。また、サッカーを通して何かを伝えていきたいと思い、サッカーの指導者になりました」

―大学サッカーとその他カテゴリーとの違いは、どのようなところですか?
「それぞれのカテゴリーにそれぞれの特色がなければいけません。そして指導者として、各年代に伝えていく内容が同じでは意味がありません。大学サッカーは決してプロサッカー選手の供給源という側面に限らず、選手たちが人間として成長できる場所でもあると考えています。指導者として、大学サッカーならではの特色や意義を選手に伝えていくことが責務であると感じています」

―大学サッカーの魅力とは何ですか?
「選手が持っている本能やフィジカル、身体的なスキルで上手か、下手かを判断するのではなく、サッカーを違う側面から捉え、自分で考える力を身につけることのできる唯一のカテゴリーであるということです。そこは高校サッカーには絶対的に無い部分だと思います。多くの選手や指導者がこのような考えを持てるように、これからも発信していかなければいけないと思っています」

―吉村監督にとってインカレでの印象的な出来事はありますか?
「大会4連覇が懸かった平成2年度 第39回全日本大学サッカー選手権大会の準決勝で東海大に0-1で負けた試合です。『前人未到のインカレ4連覇』と周囲から期待され、絶対に勝たなければいけないという大きな重圧の中で東海大の澤登(正朗)選手(現常葉大サッカー部監督)にゴールを決められ、敗退しました。とても悔しかった反面ほっと安堵した、思い入れのある印象深い大会です(苦笑)」

―子供たちにとって大学サッカーはどんな舞台であるべきかでしょうか?
「大学入学までの18年間の中で取り組んできたサッカーとは異なり、自分のキャリアを切り開くことができる可能性ある舞台であるべきだと思います。大学を経てプロサッカー選手になるため、社会に出てサッカーとは異なる舞台で活躍するために大学サッカーに関わる一人ひとりの何かを学ぼうとする意欲が大切になってきます」

「そのためには、高校生の時と同じ感覚でサッカーに取り組んでいては駄目です。高校生の時は試合に出られず思うように活躍できなかった選手でも、大学進学後にサッカーを様々な側面から捉え、取り組むことで、試合に出場できる可能性が増えたり、社会に出た後にプラスになる経験・知識を得たりすることができます」

「元々サッカーの上手い選手が大学進学後に実力を開花させ評価されるだけの世界ではなく、大学サッカーには上達・成長するためのプロセスが多くあると感じられれば良いし、高校生の時には考えられなかったサッカーへの考え方、捉え方を身につけて欲しい。そして、大学サッカーに関わる一人ひとりが大学サッカーはそのような意義深い舞台であると実感できるような舞台にしたいと考えています」


 繋いできた想いは、最後の国立へ。 平成25年度第62回全日本大学サッカー選手権大会決勝 12月25日(水)15時Kick off !!


●吉村雅文
順天堂大学体育学部卒業後、順天堂大学蹴球部の指導者、監督として長きに渡り大学サッカー界でタイトルを獲得してきた。近年では田中純也(柏レイソル)、天野純(横浜FM入団内定)をはじめ多くの有力選手を育て上げた実績を持つ。そして今年7月に開催された第27回ユニバーシアード競技大会(2013/カザン)では監督としてチームを率い、他国を圧倒する攻撃的なサッカーを展開して銅メダルを獲得した。


(協力 全日本大学サッカー連盟)

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