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「ボールは丸い」~慶大ソッカー部マネージャー戦記 by 呉田幸子

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「ボールは丸い」 エピローグ
by 呉田幸子

 お久しぶりです。慶應義塾体育会ソッカー部のマネージャーをしておりました、呉田幸子です。

 関東大学リーグが終わって部活を引退し、もう4か月が経とうとしておりますが、3月24日、慶應義塾大学を無事卒業しました。

 ゲキサカコラム執筆の先輩である中川靖章さんも最後にエピローグを書いていらっしゃったのもあって、最後に少しだけ執筆の機会をいただくことになりました。
 ただただ未熟な大学生である私が世の中に考えを発信できる機会があるという幸せに感謝し、誠に勝手ながら記事を書かせていただきました。

 大学生活を振り返ってみると、普通の女子大生の生活ではなかったと思います。
 週6日、決められた時間に起きて、平均5時間ほどはグラウンドに滞在。土日に休みがあることは皆無でした。

 引退してみて、自分がいかに狭い世界の中にいたかを実感しましたが、一つのことに打ち込んで良かったと思っています。
「人をサポートする」という仕事は、大変辛く難しいものでした。自分がいくら頑張っても結果が出るかわからないし裏切られることもある、自分は別に必要じゃないかもしれない、といった暗い感情を持ったことも数えきれません。その一方で、「ありがとう」という最高の言葉を何度も頂き、幸せに感じたことも何度もありました。
 今後の人生でも大切なことを沢山学ばせていただいたと思います。

 さて、1年間書いてきた私のコラムのタイトルは「ボールは丸い」でした。初回のコラムから引用すると、「1つはボールは丸いから、どこに結果が転がるかわからないということ」と「丸いボールに世界中の沢山の人が集まることができること。ボールを中心にして、文化も言葉も違う人が輪を作ることができるのがサッカーの素晴らしさ」だということです。

 慶應義塾体育会ソッカー部では、この2つの意味が融合した「ボールは丸い」シーンに出会うことができました。「一丸となったチームは絶対に負けない」ということです。
100人いても皆が1つの勝利の為に集まり考え議論し行動し…、その力はボールの軌道を変えることができます。もちろん、そう簡単なことではありません。

 大学サッカーは、狭い世界にあります。そもそも大学という限られた枠組みの中にあるものなので、Jリーグやプロの世界の規模やレベルに並ぼうとするはナンセンスなことです。
 しかし、大学進学が一般的となってきた日本において、人間教育的な面でもサッカー競技力の育成のためにも、大学サッカーという文化や制度を大いに利用すべきだ思います。この舞台には学べること、学ぶべきことが沢山つまっていると思います。
「大学サッカーを発展させたい、知名度を上げたい」と深い意味も考えずに発していた時期もありましたが、関心が広がり金銭面も含めてのサポートが広がるということは重要なことだと思います。まだまだ脆弱な大学サッカーですが、いろんなサポートを受けながら、高校以下にもプロにもない良いところがずっと残っていってほしいなと思っています。


 最後になりましたが、沢山の大切な仲間に出会い、素晴らしい経験ができたことを感謝しかありません。
 この春で学生としての生活を終えますが、小学校から大学まで、多くの友達に出会い、刺激を受けながら自分が成長することができました。リスペクトできる素晴らしい友達をこれからも大切にしたいという思いです。

 そして、何よりも、何不自由なく幸せに生活できてきたことを両親に本当に感謝しています。ありがとうございました。名前の由来通り、幸せな子に育てていただいたことに感謝し、今度は社会人として、人を幸せにできる子になりたいと思います。

 最後は個人的な内容になってしまいましたが、ゲキサカに関わる皆様、1年間ご精読下さった皆様、本当にありがとうございました。

 またどこかでお会いできることを楽しみにしております!

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