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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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キャプテンであろうが、マンチェスター・ユナイテッドの選手であろうが、今できないのであれば、ワールドカップのピッチに立つべきではない
by セルジオ越後

 日本はワールドカップ初戦でコートジボワールに1-2で逆転負けした。試合結果に驚きはない。コートジボワールは強かった。強い方が勝った試合だった。これが本当の実力だ。日本はメディアによって強いと錯覚させられてしまっていた。ないものをあると思ってしまった。弱いチームが勝つためのことを怠ったことで勝つチャンスも失った。

 自分よりも格上の相手に対して、日本は最も重要なコンディションができていなかった。90分間もたないチームだった。コンフェデから何も変わっていない。1点だけでは守りきれない。後半には足が止まる。1年前の課題はそのまま残っていた。ザッケローニ監督は攻撃的なサッカーがしたいと言って守備的な選手を外して攻撃的な選手を多く連れていったけれど、最後はやったこともない吉田を前線に上げてのパワープレー。この4年間は何だったのか? キリンチャレンジカップで慣れきっていた6人交代じゃないから最後は博打を打った。ワールドカップ初出場の監督らしい采配だった。

 ボクはやはり本番前に5、6人交代の試合をやり過ぎたと思う。いつも6人交代の駅伝ばかりやっていた日本がフルマラソンをやるとこうなる。ワールドカップ本番を想定した戦いができていなかった。長谷部は万全じゃなかったね。遠藤とリレーして何とか90分間。長友も走り切れなかった。先発するならばせめて80分間走れない選手は出さないでほしい。日本は90分できるかどうか分からない選手を先発させてしまった。格上とやるのであれば、全員が100パーセント走れなければならない。それを“名前”に頼った日本ははっきり言って準備不足。格下がするべき準備ができていなかったと思う。

 ボクはメンバー発表の時、大久保ではなく、香川や柿谷が選ばれたことがサプライズだと言った。ファルカオはコロンビアのエースでも外されたんだ。キャプテンであろうが、マンチェスター・ユナイテッドの選手であろうが、今できないのであれば、ワールドカップのピッチに立つべきではない。コンディションが上がらない選手が出て勝てるほど甘くない。すぐにギリシャ戦がある。ドンマイと言って、次もこのチームで行くのか、まったく新しいチームで戦うのか。次の試合でこれ以上コンディションができてなかったら、もう希望も何もないよ。

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