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POINT OF SOCCER by 長谷川望

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カシージャスも輩出したレアル・マドリーカンテラ
by 長谷川望

 いよいよやってまいりました夏休み。今年も各地でジュニア向けのサッカーキャンプが開かれています。スペインの強豪レアル・マドリーも日本で公認キャンプを開いているクラブの一つです。今年は7月19日から8月30日まで日本全国10か所で開催し、来日したレアル・マドリーのカンテラのコーチが子供たちを指導します。

 世界的人気を誇るレアル・マドリーですが、そのカンテラ組織はトップチームに上がるまで最も難しい育成機関として知られています。今回はレアル・マドリーの育成について、キャンプの指導者であるハビエルコーチとエミリオコーチにお話を伺いました。

 まずレアル・マドリーのユニフォームを着てプレーするには、ジュニア世代からトップ選手まで絶対的に必要なものがあります。「レアル・マドリーの選手として一番重要なのは誇りであり、その次に技術が求められる。絶対に負けてはいけないという事が頭にあって常にプレーしなければいけない」(ハビエルコーチ)。レアル・マドリーでは、技術だけではなく、常勝クラブとしてのメンタリティをジュニア世代から持つことが基本にあることが分かります。

 現在レアル・マドリーのキャプテンを務めているイケル・カシージャス選手も、レアル・マドリーのカンテラ出身の選手です。育成時代のカシージャス選手が優れていたものとは「プロッフェショナルの精神」だと言います。「カシージャスは練習で絶対に手を抜かないなど、トップに入るまでそのプロフェッショナリズムを崩さなかった」(ハビエルコーチ)。

 ジュニア世代から常に誇りを持ち続けるレアル・マドリーのカンテラですが、チームを強化するために、どのような取り組みがされているのでしょうか。「ヨーロッパ中や南米を回って遠征を行い、小さい頃から様々な試合を重ねている。他にも子供のころからリーグやトーナメントが常にあるので、競争意識が掻き立てられている」(エミリオコーチ)。レアル・マドリーのカンテラの強さは試合数の多さが影響していました。経験が人をつくるという言葉がありますが、改めて経験は育成において大切なのだと感じます。

 両コーチからはレアル・マドリーのトップ選手の育成時代と日本の子供たちの技術に大差はないと聞きました。今年のキャンプでもレアル・マドリーのカンテラでも通用する技術を持った子供がいたそうです。2012年にキャンプに参加してレアル・マドリーのカンテラに入団した中井卓大くんのような子供も今後出てくるかもしれないですね。夏休みにキャンプに参加するのも、また一つの成長に繋がる経験となると思います。

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪でなでしこジャパンや女子レスリング金メダリストの伊調馨らを取材。フジテレビ「とくダネ!」に出演するなど現在スポーツライターとして活躍中。
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