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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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アギーレ監督の八百長問題、最後にツケが出て“カンフル剤”にはならなかった
by セルジオ越後

 アギーレ監督の八百長問題。スペイン検察当局から八百長疑惑のあるアギーレ監督が告発されてしまった。日本サッカー界にとっては、ワールドカップ直後に日本代表監督を急に決めてしまったことへのツケが今、出ていると思う。このような問題を抱えていることが、事前の調査で分からなかったのか。サッカー協会は経験ある人が交渉していないのか。そして現在、はっきりしない対応で問題をズルズル引っ張ったままにしてしまっているのは、サッカー協会の体質を感じてしまう。責任逃れしている。世間や日本代表のスポンサーも納得していないのではないか。今後どのような状況になったら監督を解任するのか、サッカー協会の誰かが責任を取って辞めるのか。「なるほど」というコメントは出てこない。アジアカップの前にこのような状況でどうするんだ。

 ザッケローニ監督の次の監督については、ワールドカップ期間中にもう「次の監督はアギーレになる」という報道が出ていた。以前にも指摘したけれど、なぜ決め急ぐ必要があったのか。契約を急ぐばかりに、アギーレ監督が問題を抱えているということを見逃していたのではないか。サッカー協会はアギーレ監督に早く移行してチームをスタートしたことで、ワールドカップの惨敗後の暗いムードを振り払った。グループリーグ敗退に終わったことに対する指摘から逃れて、ワールドカップの反省を後回しにしたけれど、結局は一年の最後をこのような悪いニュースで締めくくることになった。最後にツケが出て“カンフル剤”にはならなかったね。

 有罪になるか、無罪になるかは分からない。本人はもちろん「やっていない」と言っているようだが、報道によると、銀行口座にお金の動きがあるという。これでは、大丈夫だとは言い切れない。サッカー協会は今後の成り行きを見守るようだが、このようなデリケートな問題を抱えたまま次のワールドカップに向かっていくのだろうか。もしかしたらアギーレ監督だけではなくて、日本サッカー協会もいろいろな指摘を受けるかもしれない。ただ、追い詰められてサッカー界が逞しくなることもある。それに期待したい。

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