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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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張本さんの意見は日本のマスコミ、サッカー評論家に「仕事しろ」ということじゃないか
by セルジオ越後

 カズ(三浦知良)が4月に2ゴールを決めた。最年長得点記録を更新したとメディアが騒いでいる。だが、48歳であれ、20歳であれ、一人のFWが1点、2点取っただけで騒ぐのはいかがなものか。5点取ってもクビになるFWもいる。48歳で得点していることは確かに凄いことなのかもしれないが、彼はこの5シーズンで10点も取っていない。野球の解説者である張本さんが「もう辞めなさい」と言っていることもボクは間違っているとは思わない。

 現役でいられるかどうかは結果で評価しなければならない。若い人は結果が出なくてクビ切られて、「年取った人は大丈夫」ではいけないだろう。カズ自身、京都の時には17点取ってもチームがJ2に落ちて戦力外になっている。プロのFWはゴールを決めてチームを勝たせて評価されるものじゃないのか。48歳が決めたから凄いじゃなくて、一人のプロのFWとしてしっかりと評価して欲しい。結果が出ていないFWが契約され続けて、48歳で取って記録作っているのはあくまで“興行”。もっと優勝狙うチーム、上位を狙うチームであればこういうことはできない。ボクは張本さんが言っている意見をサッカー界が言えないことが問題だと思う。

 カズに責任はないよ。雇うか、雇われるかは横浜FCと彼の問題。だが、もっと数字出している選手がクビになっているんだから、特別扱いしない方がいいと思う。だって、FWとして少なすぎない? 3点、4点取っている選手はJ2にだってもっといるよ。カズが点を取ってサポーターも嬉しいだろうけれど、チームの勝利には繋がっていなくてJ1へ上がれないのが現実。サッカーメディアはそれを指摘していない。張本さんの意見は日本のマスコミ、サッカー評論家に「仕事しろ」ということじゃないか。

 サッカーメディアは日本代表のハリホジッチ監督に結果を求める一方で、“興行”を盛り上げてしまっている。同じプロの世界でこんなに温度差があっていいのか。残念ながら、ハリルホジッチ監督がカズを日本代表に選ぶことはないだろう。“興行”にこれほど騒ぐことはないよ。日本がもっと強くなるためにメディアはもっと考えた方がいい。

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