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セルジオ越後の越後録 by セルジオ越後

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プレッシャーをかけたくないということと、日本代表に選ぶということは矛盾していないか?
by セルジオ越後

 日本サッカー協会は今月のU-15日本代表インドネシア遠征において、同代表の年齢を考慮し、また特定の選手フォーカスし過ぎないようにするため、出発時や練習後の選手の取材対応を行わなかったという。バルセロナを退団したという報道のある13歳の久保建英がこのU-15日本代表に選ばれていたから、報道が過熱することを怖れたサッカー協会が配慮したのだろう。
 
 でもプレッシャーをかけたくないということと、日本代表に選ぶということは矛盾していないか? どの年代の代表であれ、代表選手が注目を浴びるのは仕方ないところ。13歳だからプレッシャーがかかってしまうというのは、怖れすぎているような感じがするよ。試合後、練習後に取材を受けるということは決してプレッシャーではない。小学生大会ではもっと小さな子たちが、テレビや雑誌のインタビューしているじゃないか。本人もバルセロナへ行った時に注目されることは分かっていたと思う。それを含めてサッカーに対してマジメに取り組んで、プレッシャーも力にして成長することができるかどうか。今更、プレッシャーになるというのでは、バルセロナに行った意味がないよ。

 2020年の東京オリンピックへ向けてどの競技の次世代の選手も注目度が高まっている。取材されたくても、してもらえない選手や競技がたくさんある。彼と同じような世代の選手でも卓球や水泳、あとウィンタースポーツのフィギュアスケートの選手なんかはしっかりとインタビューを受けて、結果も出している印象だ。こういうことを乗り越えてプロになっていくんじゃないかな。13、14歳のメディアへの対応は他のスポーツと甘やかしているサッカーとの間に差がある。

 もしも本当にスーパーな選手だったら、プレーだけでもニュースになる。今回のように大きな大会でもない時にこのような対応になるのであれば、年代別のワールドカップの予選や本大会の時なんか、とんでもないことになってしまうよ。そんなに過敏になってしまうのならば、最初から選ばなければいい。彼だけじゃなくていろいろなメディアが若い子を持ち上げている。彼がダメならAKBもみんなダメだね。持ち上げて欲しくないならば選ぶなと言いたい。

 変なインタビューだったらやらせなければいい。責任ある人がついて聞けば問題ないだろう。インタビュー時間を制限することだってできるはずだ。彼だけの負担にするつもりはもちろんないけれど、明るい話題の少ないサッカー界が、注目してもらえるチャンス。いつサッカーがメディアからソッポを向かれてもおかしくない。サッカー協会は上手くコントロールしてほしいね。メディアとスポーツは上手く付き合わなければならない。

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