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ヤング魂 by 長谷川望

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[第9回]GK青木心(JFAアカデミー福島U-15)「親元を離れ世界に通用するGKへ」
by 長谷川望

 JFAアカデミー福島には、日本全国から選ばれた選手たちが集まっている。今年は16名の合格に対し、約350人もの新中学生の応募があったのだから、その人気は言うまでもないだろう。特にJリーグクラブのアカデミーがない地域に住む子供たちからの応募が多いという。

 開校して今年で10年目のJFAアカデミー福島。年代別日本代表も輩出するなど結果を見せている。全寮制、整った育成環境。そこにはどんな世界が広がっているのか、気になるところだ。今回は寮での様子なども交えながら、選手を取り上げたい!!

PICK UP選手
 青木心くん(14)。ポジションはチームの守護神、ゴールキーパー。ナショナルトレセンU-14、エリートプログラムU-14、日本代表U-15などに選出されている期待の選手だ。今月5日からのU-15日本代表韓国遠征のメンバーにも選ばれている。

 練習でも至近距離の強烈なシュートをキャッチするなど、その身体能力の高さを見せてくれた。

どんな選手!?
 チームを良く知る男子サブスクールマスターの中田康人氏は、「マジメで最後尾から味方にコーチングができ、安定感が出始めてきた選手。日本サッカーを背負って立つGKの素材に成り得る存在」とその才能に太鼓判を押している。

 身長は中学生にして182㎝と長身で、体重は68㎏。海外で強く重いシュートを体感したのが印象的だったと話す青木くんは、現在身体づくりとして、筋力トレーニングや体幹トレーニングを毎日行い、食事の量も増やしていると言う。今年から中学3年生の彼はプロを目指して、意識を高く持っている。

将来の夢は!?
 参考にしている選手はティボー・クルトワ(チェルシー)と屈託のない笑顔で話す。「身長がすごく高いんですけど、低いボールとかも普通にキャッチできたり、シュートストップのとき前傾になっていたり、広い範囲を守れるので、そういうところ真似したりしています」。そんな彼の夢はプロサッカー選手になって、UEFAチャンピオンズリーグで優勝することだ!

 去年のW杯はGKが活躍した大会と言われているほど、近年GKの重要性が叫ばれている。そんな状況を理解している青木くんは、「例えばCKでキャッチしたときは、相手も簡単なチャンスなのでみんな前にきている。そういう時にまず前を見ることと蹴るタイミングをしっかりはかってやってます」と、プレーでも意識を高く持っていた。

サッカー以外では!?
――アカデミーでは練習も学校もない日をつくっていると聞いたけど、そういう日は何をして過ごしていますか?
「一番大きなプレイルームがあって、そこのテレビに『プロフェッショナル』とか『情熱大陸』とか、あとはプレミアやリーガとかも録画されているので、それを見たりとか。あとは本が好きなので本読んだりしています」

――本が好きなんだね。どんな本が好きなの?
「東野圭吾さんの本は30冊くらい読んだと思うんですけど、一番最近読んで感動したのが『流星の絆』っていう本です。あとは『プラチナデータ』も結構ハマって何回も読みました! 」

――東野さんだけで30冊はすごいね! 好きなことをして過ごせる時間って大切だよね。これからもがんばってね!!
「ありがとうございます」

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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