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ヤング魂 by 長谷川望

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[第26回]MF正木蓮也(FCコルージャ)「ベテラン指導陣から学ぶサッカー、そして人としての成長」
by 長谷川望

 育成の現場にはベテラン指導者が必要だと言われている。埼玉県深谷市の埼玉工業大学のサッカー場で練習を行っていたFCコルージャ。ここではベテラン指導者陣が子供たちにサッカーを教えている。

 取材に答えて下さったのは1988年に上里FCナポレオンを立ち上げ、現在はコルージャ代表、私立正智深谷高校サッカー部コーチを兼任する金井豊氏と、1985年にジェットストリームFCを立ち上げ、現在はコルージャの総監督を務める根岸隆雄氏だ。30年来の付き合いがある二人のチームは、もとはライバル同士だったと言う。そんな二人がたどり着き、共に続けているのが「育成」だ。

 現在Jリーグで活躍する小林祐三(横浜FM)、新井章太(川崎F)を始め、U-22代表のオナイウ阿道(千葉)、内田航平(水戸)ら多くの選手を輩出している。サッカーに関してはもちろん、様々なことを見てきた人生の先輩として、人は生きていくために何が大切かを、サッカーを通じて現代の子供たちに徹底して伝え続けていた。今回はもうすぐクラブに入って一年が経つ選手に話を聞いてみよう!

PICK UP選手
 正木蓮也くん(13)。ポジションはトップ下。得意なプレーはドリブルだ。「相手がいることを想像して、ドリブルからのシュートの練習に力を入れてやっています。家では体幹トレーニングをするようにしています」と、自ら得点するという心強い意欲を見せてくれた。

どんな選手!?
 正智高校でコーチをしている金井代表は、コルージャから進学してきた選手について「コルージャ上がりの子は手がかからない。基本的なことができているので、自分のやりたい練習にすんなり入っていける。挨拶や話の聞き方など厳しく指導されているから、他のチームと違うところがある」と話す。

 そんなクラブに所属し、もうすぐ一年が経つ正木くんが学んだことは、やはり社会で生きていくために大切なことだった。「礼儀の正しさから話を聞く姿勢までいろんなことを学びました。試合のときに対戦相手に対してしっかり挨拶したり、練習の時は人の話をきちんと聞くようにしています」と答えるように、練習では中学一年生がコーチの話を真剣に聞いている様子を見ることが出来た。

 根岸監督は「一年生は聞く姿勢から教えるようにしている。『話を聞いて』と言っても聞く姿勢が出来ない人は結局人の話を聞けない。聞く姿勢から話を聞ける人になるからそれは必要なこと」と説く。

 笑顔が印象的な正木くんは、これからさらにクラブを通じてサッカー、そして人として大切なことを学び成長していくだろう。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
原口元気選手(ヘルタ・ベルリン)。やっぱりドリブルがすごいなと思います」

――休みの日は何をするのが好きですか?
「『ウイニングイレブン』です。バイエルンのロッベン選手がお気に入りです」

――将来の夢を教えてください。
「プロサッカー選手になって日本代表に選ばれることです!」

――これからもがんばってね!
「これからたくさん大きな大会があると思いますが、一つひとつ集中して戦って、全試合勝てるようにしたいです!!」


◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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