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ヤング魂 by 長谷川望

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[第71回]MF小林佑企(甲府U-15)「高い判断能力で貢献するチームの舵取り屋」
by 長谷川望

 山梨県南アルプス市で活動しているヴァンフォーレ甲府U-15。取材日はクラブハウス近くの河川敷で練習を行っていた。チームは現在、関東ユース(U-15)サッカーリーグ(2部)に所属している。
 
 島根聡一監督は指導方針について「こだわりすぎないこと」と話し、長年指導を重ねてきたことで、「選手ありきの指導」へと変わっていったと言う。「育ってきた環境の影響は大きく、自分がやってきたのは『The部活』のようなもので、最初は押し付けがましい指導になっていました。そのなかで伸びる選手や子供たちの表情を感じながら、選手が自ら行動した方が伸びることが分かり、今は『選手ありきの指導』を目指しています」。トップからアカデミーまで、さまざまなカテゴリーの指導をしてきた監督だからこそ、どのようにしたら選手が伸びるのかを導き出せるのではないだろうか。今でも「試行錯誤している」と言うから、その育成に対する探究心に頭が下がる思いだ。

 今回はジュニアから甲府で育った選手に注目したい!

PICK UP選手
 小林佑企(ゆうき)くん(15)。ポジションはボランチ。彼の持ち味は、中盤でゲームを組み立て、攻守にわたりチームを支える展開力にある。
 
「トラップの練習に力を入れています。相手にボールを取られるときがあるので、周りをしっかり見て、相手に取られない位置にこだわって、ボールを受けるように意識しています」と、練習のこだわりについて話してくれた。Jリーグアカデミー (U-13)トレーニングキャンプメンバーにも選出されている期待の選手だ。

どんな選手!?
 島根監督は「ゲームを読む力が高く、それを仲間に伝えられる選手です。足が特別速いわけではないですが、判断のミスが少ないので、チームの早いプレーに繋がっています」と、ボランチとしての判断能力を評価している。
 
 甲府にはジュニアから所属している小林くん。現在はジュニアユースの最高学年となりチームの舵を取っている。長年所属するクラブではどのようなことを学び、彼を成長してきたのだろうか。「サッカーの面だけではなく、ピッチ外の行いもピッチ内に繋がってくるということです。家ではあまり掃除などをしていなかったのですが、みんなで使うクラブハウスを自分自身が綺麗にして使いやすくすることによって、ピッチ内でも気の利いたプレーができることを学びました」。ピッチ内外で成長し、これから更に一目置かれる存在になるだろう。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
中村憲剛選手(川崎F)です。トラップにこだわるところが好きです。『YouTube』でワンタッチやボールの置き場所を見て勉強しています。リオ五輪代表では大島僚太選手(川崎F)に注目していました。素早い判断と足元の技術、早い縦パスが魅力的です」

――将来の夢を教えてください!
「Jリーグのなかで最もアシストができるプロ選手になって、たくさんゴールを生みたいです!」

――休みの日は何をしていますか?
「サッカーに集中できるように、休みの日はなるべくサッカーとは違うことを考えるようにしています。リラックスして、音楽を聞いたり、たまにチームメイトと遊んだりするが好きです」

――これからも頑張ってください!
「身体が小さいので、1対1の身体の入れ方や奪い方をしっかり鍛えていきたいです!」

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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