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ヤング魂 by 長谷川望

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[第77回]MF飯田怜良(1FC U-12)「怪我を乗り越え成長するドリブラー」
by 長谷川望

 埼玉県川越市で活動する1FC川越水上公園U-12は、第40回関東少年サッカー大会では埼玉県代表として出場している同県の注目のクラブだ。U-16、U-17、U-18日本代表に選出されている小川紘生(流通経済大)を輩出している。
 
 1FC U-12の練習は、コーチ陣もたくさん参加しているのが印象的だった。取材日に行っていたミニゲームでは、必ずコーチが一名それぞれのチームに入り、練習をしていた。粂川幸司監督は、選手と同じ目線で伝えることの重要性を話す。「クラブ設立から今年で10年目を迎えるんですけど、小学生のときにうちでやっていた選手たちが、今はコーチとして指導してくれています。ここで育ったコーチが多いので、クラブが重きを置いていることを理解して子供たちに接しています。外から伝えることも大事なのですが、選手と同じ目線で一緒にプレーすることで、スピード感など選手にダイレクトに伝えることができています」。1FC U-12の特徴である早いプレースタイルは、このようなダイレクトな指導から培われている。

 今回はチームに貢献する小学6年生のドリブラーをピックアップ!

PICK UP選手
 飯田怜良(れいら)くん(12)。ポジションは左サイドハーフ。積極的に得点を狙う縦へのドリブル突破は、チームの起爆剤となっている。
 
 JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12の2016年度参加メンバーにも選出された注目の選手。怪我のため、トレセンは不参加となったが、「今はこういう怪我がないように、ご飯をたくさん食べたり、家でボールを触ったりしています」と、志高く治療に励んでいる。

どんな選手!?
 「チームの槍のような突破口となる選手です。スピードと持久力が一番あり、ボールを相手に奪われない力を持っています。練習試合で剥離骨折してしまって、本人は非常に悔しい思いをしていると思います」と、粂川監督は彼の能力を高く評価している。
 
 チームメイトにも飯田くんについて聞いてみた。まず飛び込んできた声は「ドリブラー!」。さらに「ボールを持つと、縦への勝負をして得点する選手。怜良がボールを持つと点が多く入る」と元気よく教えてくれた。
 
 「サッカーが楽しい」という気持ちの表れだろう、目を輝かせてチームメイトと話す飯田くんは、今自分ができることをしっかりと認識している。今後は「怪我をしたときに、シュートの足の振りが大きかったので、相手のブロックにぶつからないように足の振りを早くしたいです」と既に改善点を見つけて、前へと進む。みんながチームの「ドリブラー」の復帰を心待ちにしている。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
ネイマール選手(バルセロナ)。予測不可能なフェイントで相手を抜くことができて、得点力もあるから好きです」

――将来の夢を教えてください!
「マンチェスター・ユナイテッドに入って、CLに出場して優勝することです! ヨーロッパのクラブチームは南米の選手とかも所属していて、レベルが高いから、そこで優勝できたらすごいと思います」

――これからも頑張ってください!
「このチームはみんな明るくて、雰囲気がとても良いです。早く復帰できるように頑張ります!」


◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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