beacon

ヤング魂 by 長谷川望

このエントリーをはてなブックマークに追加

[第78回]FW武本悠汰(リーベル・プレートSS)「アルゼンチン仕込みのフェイントで翻弄するFW」
by 長谷川望

 神奈川県横浜市で活動するリーベル・プレート・サッカースクールは、アルゼンチンの名門リーベル・プレートが展開するサッカースクールだ。リーベル・プレート出身の選手には、ハビエル・マスチェラーノ(バルセロナ)、ゴンサロ・イグアイン(ユベントス)、パブロ・アイマール元選手(バレンシアほか)らヨーロッパで活躍してきたスターたちが名を連ねている。
 
 アルゼンチンで生まれ、チリでサッカー選手として活躍した小野レオナルドコーチに、リーベル・プレートSSでの指導方針について聞いた。

「リーベルはアルゼンチンのなかで、育成に力を入れているクラブ。今ヨーロッパでプレーしているアルゼンチン人の選手は、過去にリーベルに所属していたという選手がとても多いのです。アルゼンチンではリーベル=下部組織なので、育成のメソッドが良く考えられているクラブとして知られています。指導方針の一つに『ミックスメソッド』というものがあります。例えば、一般的に2対2、リフティングなどの練習があるが、ミックスメソッドは1つのメニューのなかに2つ以上の要素が組み込まれたものです。アジリティーの練習から2対2、フェイントからシュートなど、常に頭をフル回転させることがベースとなっています。この年代からそのような技術を身につけることで、今後の試合に活きてくるでしょう。将来的に日本人がリーベルでプレーしてくれたらなと思っています」

 本場リーベル・プレートでも行われている「ミックスメソッド」を取り入れた指導で、実践的なトレーニングを身につけている。

 今回は南米サッカー好きの小学6年生をピックアップ!

PICK UP選手
 武本悠汰くん(12)。ポジションはフォワード。長身を活かしたパワーあふれるプレーで相手をかわし、積極的にシュートを狙う。
 
 週に一度、リーベル・プレートSSに通っている武本くん。「南米のサッカーが好きで、上手くなれそうだったからここを選びました。日本だとイライラすると、すぐファウルしてしまうけど、南米はイライラしてもファウルをしないで、自分でボールを奪ったりできるところなど参考にしています」と、経緯を話す。スクールにはいり、「プレスは『プレシオナー』、パスは『トカール』と教えてもらいました」と、スペイン語も一緒に学びながらサッカー生活を充実させている。

どんな選手!?
 小野レオナルドコーチは彼のFWの能力について太鼓判を押す。「すごく身軽な選手。テクニックも持っていて、もともとDFだったんですけど、最近FWに変わりました。DFを経験しているので、相手が嫌がる動きができます。決定力もあるので、9番のポジションとしては将来性があると思います」。DFだった経験を活かした今後の活躍が楽しみだ!
 
 スクールメイトの「身体が大きいけど、フェイントを良く使う」と言う言葉からも、武本くんがスクールで習ったテクニックを取り入れていることが分かる。「身体をつかって相手をかわすフェイントや、一回で相手を抜くフェイントを実践しながら、修正するようしています。どうやったら相手にボールを取られないでキープできるか、身体をつかってボールを取るかをここで学び、自分のチームで実践しています」。リーベル仕込みの技術は、彼の成長に磨きをかけている。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「スアレス選手(バルセロナ)。体幹が強くて、身体を当てられてもブレないところが好きです」

――将来の夢を教えてください!
「プロのサッカー選手になって、得点王になりたいです!」

――これからも頑張ってください!
「もっと上手くなって、たくさん得点を取れるように頑張ります!」

[写真]スクールメイトとともにレベルアップをはかる武本悠汰くん(右から3番目)


◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
スポーツライター長谷川望facebookファンサイトはこちら

TOP