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ヤング魂 by 長谷川望

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[第79回]DF今野友聖(リーベル・プレートSS)「落ち着いた判断で頼れるCB」
by 長谷川望

 リベール・プレート・サッカースクールは神奈川県横浜市で活動をしており、南米アルゼンチンの名門クラブのメゾットを日本で体感できることで、人気を集めている。南米特有のテクニックはもちろんのこと、サッカーの楽しさやスペイン語を学びながら成長できることも魅力の一つだ。

 小学生時代を日本で過ごし、中学生からチリに渡った小野レオナルドコーチがご自身の経験のもと、指導で重要視していることがあると言う。「私が一番大事だと思っているのがメンタル面の育成です。私も子供のころメンタルが弱く、大きい選手や身体で当たってくる選手を見ると『怖い』と感じていました。心で負けている自分がいて、自分の本来の力が発揮できず、メンタルが原因でミスをしてしまうのは、『もったいないことだ』と気付かされました。南米の子供たちがいつも考えているのは『そこら辺をサンダルで歩いているおじさんがスカウトマンかもしれない』という考えで、練習も常に100%の力を出しています。そういう環境で育った子は、当然メンタルも強くなります。日本と南米の大きな違いを感じました。日本の子供たちも今の年代からメンタルの部分を克服できれば、これから中学生、高校生になったときに国際大会で活きてくると思います」。小野レオナルドコーチはメンタルトレーナーの資格を取り、スクールでは国際大会を見据えた心の準備を大切にした指導がおこなわれている。

 今回はコーチ、スクールメイトから頼りにされているディフェンダーの選手をピックアップ!

PICK UP選手
 今野友聖(12)。ポジションはセンターバック。パスコースを予測する優れた洞察力で、チームをピンチから救う。
 
 「日本と違うサッカーを学びたい」という想いから、リベール・プレートSSに通うようになった今野くん。「最初はスペイン語を使っていたから、意味がよく分からなくて驚きました。今はだんだん分かるようになったので、理解できるのが楽しいです」と普段の生活とは違う環境を肌で感じ、それをしっかりと吸収している。

どんな選手!?
 小野レオナルドコーチが注目しているのは、小野くんの周りとは違う「雰囲気だ」と言う。「いつも落ち着いています。この前、彼の試合を見に行ったんですけど、他の子供たちはみんなすごく盛り上がっているのに、一人だけ別世界みたいな感じで、ベテランみたいな雰囲気をかもし出していました。自分のイメージを持っているから、自信を持つことができます。ディフェンスも上手いので、CBに向いている選手です」。スクールメイトからも「強いDFで頼りにしています」と信頼があつく、技術面、そして精神面で頼もしい存在となっている。

 海外クラブのスクールに通い、気づいた日本との違いについて聞いた。「アルゼンチンのサッカーはパスを上手く利用して、崩しながら攻撃するのですごいと思います」。いろいろな発見ができるこの貴重な時間は、今野くんの成長の大きな糧となるだろう。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「バルセロナのピケ選手です。背が高く、身体も強くて、ヘディングが上手いから好きです。いつかバルサの試合を観に行ってみたいです」

――将来の夢を教えてください!
「サッカー選手になって、世界で通用するDFになりたいです!」

――これからも頑張ってください!
「1対1で負けないように練習して、自分のチームのリーグで1位になれるように頑張ります!」

[写真]今野くんは「世界に通用するDFになりたい」と意気込む(右から2番目)


◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。ロンドン五輪で女子レスリング金メダリスト伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、TBS元旦スポーツ祭り『2013年にかけるアスリートたち』、WOWOW『金曜カーソル』などテレビ番組でも活躍中。
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