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ヤング魂 by 長谷川望

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[第100回]MF綾野諒(SC相模原JY)「サバイバルキャンプで身についた自主性とチームワーク」
by 長谷川望

 SC相模原ジュニアユースは、神奈川県相模原市で活動しているJリーグチームのアカデミーチームだ。トップチームはJ3に所属しており、プロを目指して日々しのぎを削っている。ジュニアユースは2チームあり、現在神奈川県(U-15)サッカーリーグの2部と3部にそれぞれ所属している。

 特筆すべきは、夏休みに行われた「サバイバルキャンプ」。キャンプはサッカーチームでもよく聞くが、サバイバルとなると話は別だろう。大久保孝監督にサバイバルキャンプについて聞いた。

「ちょうど今の3年生が1年生のときから始めたキャンプです。過去2年間はキャンプ場でやったんですけど、今年は本当に何もない山の中でやりました。橋のない川を渡って、濡れないように荷物を運んで、テントをはり、火をおこして、少ない指示のなか自分たちでコミュニケーションをとってやることが出来ました。携帯電話は置いてきてもらい、コミュニケーションと助け合いの大切さを感じてもらうことを目的としています。キャンプ後は、コミュニケーションが増え、それぞれを尊重できるようになりました」

 サバイバルキャンプは、普段気が付かない衣食住における感謝の気持ちとコミュニケーションの重要性を気付かせてくれる貴重な機会となっている。

 今回はサバイバルキャンプに参加した中学3年生をピックアップ!!

PICK UP選手
 綾野諒くん(14)。ポジションはミッドフィルダー。「最近、体幹トレーニングをするようになりました。身体が細いので中から鍛えていきたいです」と話す綾野くんは、スピードに乗ったプレーで積極的にゴールに向かうポイントゲッターだ。

 取材を通して彼の「立ち向かう」という姿勢が印象的だった。自分でゴールに立ち向かうこと、そしてチームのストロングポイントには「みんなでハードワークして、強い相手にも立ち向かっていく気持ちがあります」と答えている綾野くん。困難にぶつかっても、持ち前の強い精神力で突破していくに違いない!

どんな選手⁉
 大久保監督は「点を取るエースとして活躍しています。これから一つカテゴリーが上がって、ポジションでの役割が増えたり、自己犠牲をしなければいけない場面があっても、その中でも更に成長できると思います」と、彼の今後の活躍にも期待している。

 今年の夏休みの始めに行われたサバイバルキャンプについて聞くと、その元気な口調から充実した様子が伝わってくる。「みんなで協力して色んなことが出来ました。特に食事とか普段の生活に対して感謝の気持ちを持つことが出来ました。自主性が養われたと思います。初めて挑戦したマウンテンバイクは、難しかったけどすごく楽しかったです!!」。

 一人ではなく、みんなで協力して厳しい環境を乗り切ることで、生まれるチームワーク。この貴重な経験は、選手たち個人とチームをたくましく成長させたのではないだろうか。

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
コウチーニョ選手(リバプール)です。足元の技術もあって、視野も広くて、的確な判断が出来るところがすごいなと思います。ゴールに立ち向かうところも好きです」

――将来の夢を教えてください!
「プロサッカー選手になって、海外にいきたいです!」

――これからも頑張ってください!
「チームの中心になって活躍できるように頑張ります!」

◆著者プロフィール◆長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、2016年『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
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