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ヤング魂 by 長谷川望

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[第157回]MF目黒旺樹(Una Primavera FC)「イタリア・ユベントスキャンプで学んだ世界との違い」
by 長谷川望

 今年6月に行われたJFAバーモントカップ第29回全日本U-12フットサル選手権大会東京都大会で優勝したウナ・プリマヴェーラフットボールクラブ(Una Primavera Football Club)。サッカーとフットサルの二足のわらじで選手育成に取り組んでいる東京都のジュニアサッカークラブだ。

 このクラブでは毎年イタリアやスペインなどをはじめとした海外遠征を行っており、海外経験を積むことができるのも魅力の一つとなっている。来年はアンドレア・ピルロ(元イタリア代表)、シャビ・アロンソ(元スペイン代表)、ハビエル・エルナンデス(セビーシャ)を輩出したスウェーデンで行われる国際大会・ゴシアカップ2020に出場することが決まっている!

 大泉伸幸監督は海外遠征についてこう話す。「今年の夏は『ユベントスキャンプ』と言ってユベントスの本拠地で、日本人の団体として入らせてもらいました。セリエAトップクラブの伝統的で一貫されたメソッド、センターFWへの楔を起点とする縦への崩し、相手が絞ってきたらワイドに開いた両サイドバックを生かす崩しという、実践を踏まえた戦術的な形が落とし込まれていました。U-12もトップと一貫して指導方針が固まっているので、強さに繋がる見て感じた部分を吸収していきたいです」。様々な国、クラブで学んだことが、指導者にとっても新しい発見となって指導に生かされている。

 今回は中盤で活躍する小学6年生をピックアップ!

PICK UP選手
 目黒旺樹くん(12)。ポジションは左サイドハーフ。50mで7.08秒と俊足の彼は、スピードを生かしたドリブルで相手を置き去りにし、突破口をつくる!

「フットサルをやっていて足元の技術もついてきて、サッカーがやりやすくなりました。即座のフェイントや相手をかわすときのリズムがつかめるようになりました」と目黒くんが言うように、クラブでおこなっているフットサルの導入がサッカーに大きな影響を与えている。

どんな選手⁉
 大泉監督は「スピードもあり、キックが得意な選手です。状況に適した判断とパスセンスはチームを正しい方向へ導いてくれています。また、セットプレーでのヘディングも彼の大きな武器で、流れを変えたい時には、期待を込めてピッチへ送り出します」と、目黒くんの技術と能力を高く評価している。

 目黒くんにイタリア遠征で印象的だったことを聞いた。「ユベントスの選手は身体がとても強く、自分たちより頭一つ分身長が高かったです。最初は緊張しましたが、デカさに焦らず落ち着いてプレーすることが大事だと思いました」。海外の有名クラブの練習を目の当たりにし、環境の違いや外国人選手との違いを体感した選手たち。この貴重な経験によって、今まで気づかなかったことや新しい「世界」という視野の広がりを実感できたのではないだろうか。その高みを目指して選手たちはこれからも成長していく!

気になる質問‼
――好きな選手を教えてください。
「クリスティアーノ・ロナウド選手(ユベントス)です。無回転シュートがかっこいいです! 日本人選手は槙野智章選手(浦和)が好きです。ガッツがある感じが伝わってきます!」

――将来の夢を教えてください!
「プロサッカー選手になって、セリエAでプレーしてみたいです! クリスティアーノ選手みたいな活躍ができる選手になりたいです!」

――これからも頑張ってください!
「自分のチームでしっかりスタメンを勝ち取っていきたいです。そしてスタメンを定着させていけるように頑張ります!」

◆著者プロフィール◆
長谷川望(はせがわ・のぞみ)
1987年生まれ。福島県出身。リオ五輪で4連覇を成し遂げた女子レスリング伊調馨を取材。2020年東京五輪を見据え、サッカーを中心にスポーツの育成年代を精力的に取材している。フジテレビ『とくダネ!』、『林先生のあのアスリートを一流にした劇的スイッチ』他多数出演。
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