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鹿島ユースは24年ぶりの決勝届かず。独特のテンポ持つ2年生MF柏木陽良「練習して自分たちを高めていくしかない」

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鹿島アントラーズユースMF柏木陽良は独特のテンポでパスを繋ぐなど攻撃のアクセントに

[8.2 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 鹿島ユース 0-1 札幌U-18 正田醬油スタジアム群馬]

 97年大会以来24年ぶりとなる決勝進出を目指した鹿島アントラーズユースは、1点が奪えずに涙をのんだ。今季から指揮を執る柳澤敦監督の下、準々決勝までの全5試合で2得点以上。だが、準決勝では指揮官が「自分たちのやりたいことができなかった。もう少しボールを動かしたかった」と指摘したように、前からボールを奪いに来る札幌U-18の前に思うような攻撃をすることができなかった。

 開始25秒にMF小林栞太(3年)の放った左足シュートがクロスバーをヒット。前半は相手になかなか攻撃の起点を作らせず、高い位置で奪い返して自分たちの攻撃時間を増やしていた。

 サイドからの仕掛けなどで相手にプレッシャーをかけ、中央ではMF柏木陽良(2年=レノヴェンスオガサFC出身)が他とは明らかに異なるテンポのパスと意外性。柳澤監督や小笠原満男テクニカルアドバイザーから「『ミスを怖れないで自分の武器の最後のところや自分のアイディアをどんどんやって行け』と言われています。自分のところでしっかりと前を向いてさばいたり、『ボール持ってナンボ』と自分でも思っているので、そういうところで周りとしっかりと係わりながらやっていました」というボランチは攻撃のアクセントになっていた。

 だが、この日は精度が課題に。「相手のプレッシャーを感じて前見て出すところなくてミスしてしまうことが多くなってしまいました。(また、自分も含めてチーム全体で)もっと気を利かせてサポートに入ったり、もっとパスコース作ってというのが普段よりもできていなかった」と首を振る。

 ここまで全試合で前半に先制点を奪っていた鹿島ユースは、焦りも影響してしまったかもしれない。慌てて攻めてボールを失うなど、普段よりもミスが増加。後半10分にチームのキーマンである左SB溝口修平(3年、トップ昇格内定)が退場して数的不利を強いられると、その後我慢の戦いを見せていたものの、0-1で悔しい敗退となった。

 これで2年連続3位。柳澤監督は「全体的にグループリーグからまとまってリベンジへ向けて良い準備と良い戦いができていました。(ただし)プレッシャーの中でできないのはまだまだ力が足りないという印象ですね」と語った。

 チームとしては来年、4強超えに再びチャレンジする。MF下田栄祐(2年)やDF梅津龍之介(2年)とともにその中心となる柏木は、「練習して自分たちを高めていくしかない。この悔しさを忘れないで……次の練習から日本一を狙ってやっていきたいです」と力を込めた。

 加えて、「(クラブユース選手権で個人的には)アイディアだったり自分の武器を出せたんですけれども、ラストパスだったり、奪ったあとの一本目のパスは自分のところでミスがあったので。周りが結果を出してくれたのでここまで進むことができたんですけれども、自分が結果を出して今日のような試合も勝ちに導けていけたら」。個人、チームとしても悔しさを忘れずに取り組み、トップチーム昇格や日本一、プレミアリーグ昇格という目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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