beacon

4年前の借りは日本一で返す。札幌U-18の1年生MF小沼昭人は「絶対に勝ちたい」ファイナルに挑む

このエントリーをはてなブックマークに追加

北海道コンサドーレ札幌U-18の1年生ボランチ、MF小沼昭人

[8.2 日本クラブユース選手権U-18大会準決勝 鹿島ユース 0-1 札幌U-18 正田醬油スタジアム群馬]

 ピッチに立ったら年齢なんて関係ないことも、自身が一番熟知している。15歳だからとか、1年生だからとか、そんなことを言い訳にするつもりも毛頭ない。「試合に出られていることは、本当に監督に感謝していますし、先輩たちにはここ数試合はずっと迷惑を掛けてきたので、今日はちょっと上手くできたかなと思います。これまでにあまり納得がいっていなかったので、今日は気合が入っていました」。北海道コンサドーレ札幌U-18の若きボランチ。MF小沼昭人(1年=北海道コンサドーレ札幌U-15出身)が決勝進出を懸けた大一番で躍動した。

 絶対的なキャプテン、MF砂田匠(3年)と組むドイスボランチの一角を任されたのは、1年生の小沼。「相手の10番のところでセカンドボールを拾うことと、あとはスライドすることを意識していました」と自分の役割をしっかり整理して、ゲームに入る。

「前半は後ろで回されている分には大丈夫だったので、あまり焦っている感じはなかったですね。後半は相手が1人退場して、全員でうまくボールを運べて、得点シーンも中へのクロスで相手のオウンゴールになりましたけど、良い形で先制できたかなと感じていました。焦れずにずっと最後まで攻め続けられたかなと思います」。前半と後半で大きく流れの変わった試合の中でも、冷静に状況を分析し、把握していた様子も頼もしい。

 傍から見れば、先輩たちに囲まれた中で、素晴らしいパフォーマンスを披露した80分間のように感じたが、本人の中では課題も的確に見出している。「ボールを受けられるところは凄く良かったんですけど、運動量のところや、前に出ていくところはまだまだだと思うので、決勝まででは直せないかもしれないですけど、そこは意識してやりたいなと思います」。15歳の向上心は尽きない。

 自分のプレースタイルも、同じポジションを担う五輪世代の2人に重ねているという。「自分の特徴は球際の強さだったり、そこからのゲームコントロールだと思うので、最近は田中碧選手の動きと、遠藤航選手の守備のところは参考になると思って、オリンピック世代の試合は凄く見ています。そこは決勝でもしっかり見せられたらなと思います」。攻守に効き続ける選手を目指し、さらなる成長を見据えている。

 日本一には強いこだわりがある。「U-12にいた小学校6年生の時に、僕はベンチだったんですけど、全日(全日本少年サッカー大会)で準優勝だったので、そこで悔しい想いをしていますし、U-15だった中学3年生の高円宮杯も1回戦敗退という悔しい結果だったので、こういう形でまた決勝まで来られて凄く嬉しいなと思います」。だからこそ、目指す結果は1つだけだ。

「僕たちは全員で戦うチーム力が凄くあるなと思います。個人的には決勝でもいつも通り守備の球際だったり、運動量だったり、そういう基本のところでしっかり貢献したいです。絶対に勝ちたいですね」。

 頂点に立つまでは、あと1勝に迫った、札幌U-18の1年生ボランチ。小沼の躍動が悲願達成のカギを握っていると言っても、決して過言ではない。

(取材・文 土屋雅史)
▼関連リンク
第45回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集

TOP