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決勝ノーゴールで得点王届かず…横浜FMユース内野航太郎「劣勢でも自分一人で状況を変える選手にならないと」

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横浜F・マリノスユースFW内野航太郎(3年)はノーゴール終幕

[8.3 クラブユース選手権決勝 C大阪U-18 3-1(延長) 横浜FMユース 正田スタ]

 劣勢の中でも最前線で戦い続け、エースとしての振る舞いは存分に見せた。それでも自らのゴールでタイトルに導くという、エースの仕事は果たせなかった。横浜F・マリノスユースの9番FW内野航太郎(3年)は無得点に終わった決勝戦の試合後、「これを活かさないと、この試合に意味がなくなる」と決意を新たにした。

 今季の高円宮杯プレミアリーグEASTで11試合12得点を記録し、得点ランキング首位を走っている世代屈指のストライカー。今大会でも準決勝までの6試合で5ゴールを挙げ、トップのFW山本桜大(柏U-18)まであと1点と、得点王を狙えるシチュエーションで決勝に臨んでいた。

 試合の主導権を握ったのはC大阪U-18だったが、それは想定内。「こういう相手にボールを支配される形で自分たちのプレスがどこまで通用するかで握られるのは分かっていた」。味方がボールを奪った瞬間に狙いを定め、絶えず動き出しを続けると、パスを呼び込んでの単独突破で陣地回復に貢献。また自らファーストプレスでボールを奪う場面もあり、戦える姿を見せた。

 そうして迎えた終盤はサイドからのクロスに次々と飛び込み、多くのシュートチャンスに関わった。それでも延長後半に訪れたヘディングの決定機を決め切れず、ノーゴールでタイムアップ。「自分としては得点王を取って、日本一になりたかったけど、力が足りなくて、悔しい気持ちが残る」と悔やまれる結果に終わった。

「ヘディングは自分の強みの一つでもあると思うし、得点のバリエーションが多いこと、ゴールに向かう姿勢が強みだと思っているけど、決勝の舞台で、延長の厳しい状況で決め切れなかったのは……」

 そう悔しさを吐露した内野は前半の奮闘ぶりについても課題を突きつけた。「カウンターのところで一人で得点を取り切れる選手になっていかないと上には通用しない。トップチームに絡んでいくところで見ても、劣勢でも自分一人で状況を変える、一人で点を取ってこられるような選手にならないといけないと強く思った」。トップチームで戦えるストライカーになるためには、時に味方の助けを求めないような働きも必要となるからだ。

 7月末には2種選手としてトップチームに登録され、公式戦に出場する権利は得た。「トップにはアンデルソン・ロペス選手、レオ・セアラ選手がいる中で、自分がどう生き残っていくかというと守備のところやハードワークのところ。トップの外国籍選手に比べたらフィジカルでは劣るところがあるので、オフザボールの細かいところで剥がせたり、クイックネスであったり、でかいけど強く長く動ける選手にならないといけない。違うオリジナリティで個性を出していかないといけない」。全国決勝での悔しさを胸に、内野航太郎はもう一回り大きなストライカーを目指す。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】第46回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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