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相手の妨害が全て無駄に…チェルシー優勝PK弾の直前、主将アスピリクエタが見せた“ファインプレー”

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見事に相手を出し抜いたDFセサル・アスピリクエタ

[2.12 クラブW杯決勝 チェルシー 2-1(延長) パルメイラス アブダビ]

 チェルシー優勝の“陰のMVP”だ。世界一が懸かったFIFAクラブワールドカップ2021決勝の延長後半に迎えたPKのチャンス。その直前にキャプテンのDFセサル・アスピリクエタが見せた行動が話題となっている。

 アスピリクエタは1-1で迎えた延長後半9分、左CKの流れからPA内中央でシュートを放つと、相手の手を直撃。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によるチェックを経て、チェルシーにPKが与えられた。

 ここでアスピリクエタがボールを持ってペナルティスポットに向かうと、パルメイラスの選手たちがプレッシャーをかけるように次々とチェルシー主将に近づいていく。

 しかし、これは本当のキッカーを守るための策略だった。主審がパルメイラスの選手たちに離れるように促し、PKの準備が整ったところで、アスピリクエタは歩み寄ってきたMFカイ・ハバーツにボールを手渡す。

 PK前の喧騒で集中を乱されることのなかったハバーツは延長後半12分、冷静にGKの逆を突いてゴール左へ決め、優勝を呼び込む決勝点を挙げた。

 クラブ公式サイトによると、アスピリクエタは試合後に「相手のやり方を知っていたからこその作戦だった。相手がPKキッカーのもとに来るのが分かっていたので、僕がボールを取ったんだ」と明かし、同シーンを振り返っている。

「カイは自分がシュートを打つことを知っていた。彼のプレッシャーを取り除くためのものだったんだ」

「僕は相手選手たちの言うことを全て聞いて待っていた。最も重要なことだし、それが功を奏したんだと思う」

 アスピリクエタは2012年大会で南米王者コリンチャンスに敗れて準優勝に終わった借りを返し、チェルシー史上初めて主要トロフィーを全て獲得した選手となった。

「2012年はとても悔しい思いをしたし、戻ってくるまでに9年以上かかった。2012年は優勝を逃したけど、もう二度とそうなりたくないという思いがあったんだ」

 クラブ史に名を刻んだアスピリクエタは「チェルシーのキャプテンであることを本当に誇りに思う。このタイトルは僕らの歴史の中で初めてのことなので、とてもいい気分だね」と世界制覇の喜びを噛み締めた。

PKキッカーのふりをするアスピリクエタ
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