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ゲンのいいデビュー2戦目、宮市が“親友”から代表初ゴール誓う

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 “親友対決”を制す。日本代表は3日のW杯アジア最終予選第1戦でオマーン代表と対戦する。オマーンのゴールを守るのは、プレミアリーグのウィガンで正GKを務めるGKアリ・アル・ハブシ。イングランドで毎週のように一緒に食事をする仲だというFW宮市亮(ボルトン)は、親友から代表初ゴールを奪うことを誓った。

 今年1月にアーセナルから期限付き移籍でボルトンに加入した宮市だが、偶然、引っ越した先がアル・ハブシの自宅の目の前だったのだという。06年から10年までボルトンでプレーしていたアル・ハブシは10-11シーズンにレンタルでウィガンに移籍し、11-12シーズンから完全移籍した。ウィガンはボルトンの西方わずか10kmにある隣町。ウィガン加入後もそのまま住んでいたようだ。

「もともとアリもボルトンにいたので、ボルトン(のチーム)のこととか街のことを教えてもらったり、いい“ご近所さん”というか、先輩です」

 プレミアリーグや欧州CLなど、自分たちの試合がないときには一緒にテレビ観戦もしていたという。「家から外に出ると、いつもアリがご飯をつくっている姿が見えて……。『来いよ』って言われて、奥さんがつくったオマーン料理とかを食べさせてもらっていました」。そう笑った宮市だが、試合となれば話は別だ。

「僕はゴールを決めたいと思っている。ピッチに入ったら、そういうのは関係ないので」

 過去のW杯予選でも日本はアル・ハブシの“壁”に苦しんできた。ドイツW杯アジア1次予選でも、04年2月18日の初戦でオマーンをホームに迎えたが、MF中村俊輔のPKをアル・ハブシにセーブされるなど大苦戦。後半ロスタイムのFW久保竜彦の劇的ゴールで何とか1-0で辛勝した。南アフリカW杯アジア3次予選でもオマーンと同組になり、ホームでは3-0で勝ったが、アウェーでは1-1ドロー。このときもアル・ハブシが再三の好セーブを見せ、MF遠藤保仁のPKで何とか同点に追いついている。

 宮市にとっては、“リベンジ”の意味もある。プレミアデビューを飾った2月11日のウィガン戦。後半開始から途中出場し、1-2の後半41分に迎えた決定機を止められたのがアル・ハブシだった。FWヌゴグのスルーパスに反応した宮市はPA内左に抜け出し、GKと1対1の絶好機を迎えたが、左足のシュートはアル・ハブシがビッグセーブ。同点機を逃し、プレミア初ゴールもならなかった。

「世界を代表するGKだと思うし、シュートストップには定評がある。素晴らしいものを持っているし、簡単にゴールすることはできないと思うけど、それをしないといけない」

 抜群の反射神経と身体能力で1対1に強さを発揮するアル・ハブシだが、クロスボールにはあまり飛び出さないという“弱点”もあるという。実際に対戦した宮市も「クロスが入って、そこからシュートを打たれたボールを止めるというシーンをよく見る」と証言する。

「サイドからのクロスだったりミドルシュートだったりが引いてくる相手には有効だと思う。シュートを何本も何本も打っていけば決まると思う。積極的に狙っていきたい」

 5月23日のアゼルバイジャン戦(2-0)で国際Aマッチ初出場。オマーン戦に出場すれば、デビュー2戦目となる。昨季、アーセナルからのレンタル移籍でプレーしたフェイエノールト(オランダ)では、移籍2戦目となった昨年2月12日のヘラクレス戦で初ゴールを決め、欧州主要1部リーグでの日本人最年少得点記録を樹立。ボルトンでも加入後公式戦2戦目となった今年2月18日のFA杯・ミルウォール戦で初ゴールを決めている。

「デビュー戦はいつも緊張するタイプ。フェイエノールトでもボルトンでも、いつも2戦目で点を取っているので、代表でも2戦目で取りたい」。みたび狙うデビュー2戦目での初ゴール。親友の守るゴールを破り、ザックジャパンの勝利に貢献するつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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