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日本代表FW岡崎慎司インタビュー「圧倒するぐらいの気持ちで」

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 ドイツに渡り、2シーズン目を終えたシュツットガルトの日本代表FW岡崎慎司。今年2月には3試合連続ゴールを決めるなど26試合に出場(うち先発18試合)し、7得点を記録した。しかし、終盤はケガもあり、出場機会が減少。目標としていたシーズン2ケタ得点を果たせず、不完全燃焼の1年ともなった。その悔しさを晴らす舞台となるのが、目前に迫ったW杯アジア最終予選だ。岡崎自身にとって2大会連続のW杯出場を目指すアジアの戦い。ドイツで培った経験を生かし、さらに成長した姿を日本中のファンに見せつけるつもりだ。

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―ブンデスリーガで初めて1シーズンを通して戦ってみて、あらためて感じたことはありますか?
「自分の成績には満足していません。今シーズンはチームの中で一番点を取るつもりでいましたが、4番目になってしまったので(ハルニクの17得点、イビセビッチの13得点、カカウの8得点に次ぐ7得点)。ストライカーとしてもっと活躍したいと思っていますし、いろんな役割を任されている部分はありますが、それはここでは言い訳になりません。まず結果があって、そのうえで守備をしたりがんばって走ったりというのがあるので。チーム内でもゴール数は負けたくないという気持ちを強く持っていましたし、自分としては満足できないというのがあります」

―サイドを任されることが多くても、ゴールを取らないと意味がない?
「そこ(ポジション)は自分としては言い訳にしたくないですし、それでも最後は自分のところにボールが来るような役割にチームの中でならないといけないと思っています。チームメイトに『こいつにパスを出せば点を決めてくれる』と思わせるようになりたいですね。
 1試合に一度は決定機がある中で、前半戦はそこでなかなか決められなかった。後半戦はいい形で決められるようになって、自分の中で『こういうところに入っていけば点を取れるんだ』というのをつかめてきていました。ケガから復帰してからもあまり出番がなかったのは残念でしたが、自分をもうひと回りレベルアップさせる時間だとポジティブに考えて、基礎練習から取り組むこともできました。そういう意味では、次に向けて、いい1年だったと思います」

―昨季とは違う手応えをつかめたということですか?
「昨季は最後の2試合で点を取れましたが、最後の気力でガムシャラにやって点を取った感じでした。今季はどうやったらチームの勝利に貢献しながら自分の結果も出せるかというのを1年間ずっと考えながらやってきました。出だしは良くて、途中で悩み出して、でも最後に“答え”が見えてきた。いいときばかりではなく、悪いときばかりでもなく、そういう意味でも前に進んでいると思いますね」

―調子がよかったときにケガをして、そのタイミングも痛かったような気がしましたが?
「ケガをする前も、ゴールという結果は出ていたけど、自分のイメージどおりのプレーができていたわけではないんです。ケガしたことは残念でしたが、力強さとか自分で持ち運ぶ能力とか、自分に足りないものを身につけたいと思った時期でもあったので、筋トレとか普段はできないトレーニングもできました。いろんなことを考える、いい時間だったのかなと思っています。調子がいいときにケガをするというのはよくあるパターンだったので。だから最初だけでしたね。ケガをして残念だなと思ったのは」

―さらに身体も大きくなって、ブンデスリーガの選手らしくなってきた印象もあります。
「海外の選手がすごいのは、最後のゴールを決めるところでバテていないことです。それは精神的な余裕とかメンタルの部分もあると思いますが、やっぱり身体が全然違う。最後、ゴール前に走り込んで、僕だったら身体がきつくなってシュートを外してしまうこともありますが、ブンデスリーガで点を取っている選手というのは身体がしっかりできていて、走り切って、さらに最後のシュートも力強く、かつ精度も高い。そこが日本人と一番違うところだと思います。だから、僕らにもそういう局面で耐えられる筋力が必要だと思うし、日本にいたときは、正直、筋力はそこまで必要ないかなと思っていたんです。でも、こっちに来たら、技術だけでなく、筋力とか、そういう身体的な部分も必要だなと。それは今シーズン、分かったことかなと思います」

―今季の経験を来季へ生かしていけそうですか?
「そうですね。ワンタッチで決める場面より、これからは自分で持ち運んで点を取るという場面が多くなっていくと思います。例えば、試合の中でクロスが少ないときに、どこでワンチャンスを決めるかと言えば、自分で仕掛けたり、相手に走り勝ったり、そういう決定的なチャンスではない場面でも決めるというのが必要になってくると思うので。そこが自分の課題だと思っています」

―1月に酒井高徳選手もシュツットガルトに加入しました。ブンデスリーガに日本人選手がたくさんいるのは刺激になりますか?
「高徳が来て、チームに早く馴染むのを目の当たりにすると、自分もやっぱり『もっとがんばらないといけない』『もっと上に行きたい』と思いますし、周りの日本人選手が活躍するのは刺激になりますね」

―香川真司選手の所属するドルトムントの優勝はどんな風に見ていましたか?
「ドルトムントは強いチームですし、真司がそこでしっかり試合に出続けて、結果を出し続けているのは単純に『スゴイな』と思いますし、『俺もそうなりたい』と思います。やっぱり優勝したいと思いますよね」

―来季は2シーズンぶりにヨーロッパリーグ(EL)にも出場します。ドイツと違う国のチームと対戦できるのは楽しみですか?
「いい経験になると思いますし、去年の最初にベンフィカとやったとき、ブンデスリーガも経験せずに無我夢中でやったのを覚えています(ドイツ移籍後公式戦初出場は昨年2月のEL決勝トーナメント1回戦のベンフィカ戦だった)。今季のシャルケやハノーファーがELでスペインのチームと試合をしているのを見て、スペインのチームはドイツ人の強さに対してこういうサッカーをして、しかも勝っていくんだなというのを目の当たりにしました。自分もそういうところでやりたいと思いますし、セリエだったら守備がしっかりしているとか、リーグによってチームのスタイルも変わってくるので、いろんなリーグのチームと対戦したいなと思います」

―これまでの白から赤いスパイクに変わったんですね。
「僕は基本的にデザインをあまり気にしないんですが、ずっと白でやってきて、赤に変わるのは新鮮というか、気持ち的にもまたがんばろうと思えますね」

―シュツットガルトっぽいカラーでもありますね。
「そうですね。シュツットガルトのチームカラーも白と赤なので。赤いスパイクを履いていたら、さらに注目もされると思いますし、周りを見てもあまり赤いスパイクを履いている選手はいないので、そういう意味でも海外でプレーするうえでは目立っていいかなと思います」

―スパイクへのこだわりはありますか?
「大げさに言うと、素足でサッカーをやっているような感覚が欲しいですね。そういう意味では僕が履いている『ウェーブカップ』は軽量ですし、使えば使うほど密着してくるというか、スパイクの革が足にくっ付いてくるような感覚になります。それは他のスパイクにはないところじゃないかなと思っています」

―ヘディングが武器の岡崎選手ですが、足元も大事ということですね。
「もちろんダイビングヘッドが自分の武器ではありますけど、サッカーは足でやるスポーツですし、基本的な技術がなければ欧州ではプレーできないと思うので。自分の技術を上げながら、スパイクもより性能が上がっていくように『ミズノ』の方々も考えてくれています。選手の技術とスパイクのレベルが一緒に上がっていけばという『ミズノ』の考え方はすごい好きですね」

―フィット感や軽さという部分では、岡崎選手の持ち味でもある一瞬のスピードで裏に抜け出すプレーにもかかわってきますか?
「裏に抜けたあとのトラップだったり、ワンタッチでのシュートだったり、そこでの感覚はスパイクによって変わってきます。そういうところで足に吸い付いてないのは嫌だなとか、微妙なところでも違いを感じるので」

―6月にはいよいよW杯アジア最終予選も始まります。
「最終予選は本当に大事だと思っていますし、ドイツのシーズンは終わりましたが、コンディションをさらに上げていきたいですね。6月の3試合が終わってから、ちょっと休むというか。この1年間、フルで出続けていたわけでもないですし、オフにもまたレベルアップできるような調整をしていきたいですね」

―W杯に向けてはここからが本番という感じですか?
「ブンデスリーガやJリーグとはまた違ったアジアの戦いになります。W杯を懸けた戦いでもあるので、別の緊張感もあります。海外からたくさんの選手が集まってくると思いますが、チームにはチームのやり方がありますし、代表には代表の規律があります。勝つためにどうしたらいいか、チームとしてまとまらないとアジア予選は勝てないと思うので、そういうことも合宿を通して選手同士で話していければと思っています」

―オマーン、ヨルダン、オーストラリア、イラクと同組という組み合わせが決まったときの感想はどうでしたか?
「特にはなかったですね。始まったなという感じで。対戦相手でここは嫌だなというイメージはないですけど、オーストラリアにはアジア杯の決勝でも延長まで戦っていますし、今度は圧倒するくらいの戦いをして勝ちたいなと思っています。ヨルダンはアジア杯でも対戦して引き分けていますから、本当に侮れないですし、オマーンも相当強いという話を聞いています。でも、そういう中でも圧倒して勝ちたいという気持ちはありますね」

―南アフリカW杯では直前に先発落ちしました。南アフリカでの悔しさをブラジルで晴らしたいという気持ちもあるのではないですか?
「チームは決勝トーナメントに進みましたが、個人的には悔しいW杯でした。次のW杯でもう1回チャレンジしたいという気持ちはあります。もちろん、チームとしてもベスト16以上を目指していますし、優勝もしたいと思っています。それを考えたら、なおさらアジア予選では負けていられないので。予選は圧倒するぐらいの気持ちで臨みたいですね」

―ブラジルが自分にとっての集大成という気持ちもありますか?
「ブラジルW杯に関しては、そういう気持ちもあります。そのためにも自分は立ち止まってはいられないですし、常にレベルアップしていくことを考えて、これからもやっていきたいですね」

(取材・文 西山紘平)

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