Fリーグは15日、プレスカンファレンスを行い、全10クラブの代表選手が代々木第一体育館に集まり、各メディアの取材に応じた。湘南ベルマーレ(Fリーグ)で2年ぶりに現役復帰したFP藤井健太は、ゲキサカのインタビューに応じ、16日に代々木第一体育館で開幕を迎える2012シーズンヘの意気込みを語った。

―湘南ベルマーレはどのようなチーム?
「今は一新というか、半分くらい選手が新しくなって、チームカラーがまた変わってくると思います。まだ誰もイメージできないかなと。昨年まではトリッキーな部分はトリッキーで沸かせるプレーも多かったですが、勝つって言う部分では、あと一歩な部分があったと思う。でも、そこは紙一重だと思うので。球際を強く行くようになったら、トリッキーな部分も少しなくなると思うし。そのバランスが、安定しないチームだったイメージがありますね。今季はFPボラのような選手が残っているところを生かしつつも、少し勝利にこだわる安定の部分を、FP市原誉昭だったり、僕だったり、経験のある選手が加える。また、仕事のできるFP小野大輔だったり、FP岸本武志がいるっていうのも強みになると思う。若手にもポテンシャルの高い選手がいるので、バランスがすごく取れて、一人ひとりの役割がはっきりしている感じはしますね。ただし、フタを開けてみないと分からない部分も多いので、いろいろな部分で驚かすことができるチームかなと思います」

―Fリーグ2012への意気込みは?
「まずはチームに貢献することが一番です。チームの目標は、まずはプレーオフに出場すること。そこに向けて頑張るしかありません。あとはその中で『また見に来たいな』と思ってもらえるようなプレーをする。ピッチ上だけではなく、スタンドの人たちも含めて『このチームを応援しよう』『一緒に戦おう』と思えるチームに変わっていかないといけないと思います。ホームの観客数1500が目標ですが、もっといけるチームだと僕は個人的に思っているので。結果を出すこともですが、パッと見て『面白い』と思ってくれたら、サッカーの湘南ベルマーレのサポーターも来てくれると思う。自分たち次第で、必ず次につながるベースのあるクラブだと思って加入した部分もあるので、そこは頑張りたいですね。それと個人的にはアピールできれば、一気に代表に入るアピールにもなると思う。逆に代表という目標を掲げていれば、チームが3位以内に入ることが最低条件に変わるとも思うので。僕は、個でも、チームでも、どちらの目標も両方につながっていくようにしたいです」

―経験のある選手が増えたが?
「ただ、それだけで勝てるほど甘い世界ではない。僕自身も経験があって、プライドがあるけれど、いま大事なのは努力することだと思う。今までのアドバンテージで戦うのではなく、これから努力して新たなモノを積み重ねないと、過去のアドバンテージで戦えるほど甘くはないから。チームには経験者がいるから強いわけではない。イタリアのセリエAのユベントスなんかも、伝統とかアドバンテージがあったけど、一度成績が落ちた。でも、そこから努力をすることで、結果が出た。それは自分の中で良い模範になっているし、同じようにやらないといけないと思う。その中で結果を出して、デル・ピエロのように愛される選手に、もう一度なれるように頑張りたいなと思います。『やっぱり代表で長くプレーしていたんだな』とか『やっぱり藤井健太は違うな』と思ってもらえるように、今は努力が必要だと思っています」

―1年のブランクは?
「この間、プレシーズンマッチをやって、良い部分と悪い部分が感じられましたね。一発退場してしまったのは、自分のブランクのすべてだったと思う。でも、それ以外の部分では『できる』っていう手応えの方が大きかったので開幕が楽しみです」

―かつてのチームメイト岸本選手とのコンビも楽しみ?
「そうですね。それは自分自身の中でもすごく楽しみだし、見てほしいところの一つでもあります。一緒にやっていても、感覚的にはやっぱり合う選手だなと思うし、そんなに言葉もいらない中で、お互いにパワーアップした状態で、また新たな2人のコンビが見せられると思います。もう少し、時間はかかるかもしれませんけど。でも、Fリーグで『コンビプレー』ってなかなか少ないからね。『チームプレー』ばっかりで。その大切な部分を2人で見せたり、伝えたりはしたいなと思います」

―チームのキープレーヤーは?
「全員がキープレーヤーですが、若手に期待しています。勝つために必要になってくるのは若手ですね。FP鍛代元気とか、FP内村俊太という選手も期待したいですね。それともう少し時間はかかりそうだけど、今後すごく個人的に楽しみなのが186センチで日本では数少ない大型ピヴォのFP唐澤広彰ですね。彼が小野なんかのプレーを見て吸収していけば、すごく楽しみだし、経験を重ねて行けば僕は良いと思います。今すぐにチームのキープレーヤーと考えるのは難しいですけどね」

―16日、17日のセントラル2試合に向けての公約を。
「やっぱり『藤井健太』っていう存在をどう見せられるかがすべてだと思います。だから、開幕戦のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれて、健在だということをアピールしたいと思います」

　湘南ベルマーレは16日の第1節でペスカドーラ町田と戦い、17日の第2節で名古屋オーシャンズと対戦する。

(取材・文　河合 拓)