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U-23日本代表MF清武弘嗣インタビュー「スペインにも負ける気がしない」

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 U-23日本代表の主力としてロンドン五輪アジア予選を戦いながら、ブラジルW杯アジア予選に臨む日本代表にも招集されるなど、この1年間多忙を極めたMF清武弘嗣(C大阪)。貴重なジョーカーとしてA代表の勝利に貢献し、関塚ジャパンでもチームをロンドンへ導く大活躍を見せた。そして今夏、ニュルンベルク(ドイツ)への移籍も決定。昨季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でベスト8、今季はナビスコ杯で決勝トーナメントへ進出したC大阪から海を渡り、ロンドン五輪とブンデスリーガという2つの大舞台に挑む清武が、その意気込みを語った。

―まずはW杯アジア最終予選について。すごい雰囲気の中での6月の3連戦でした。
「すごく注目度が高いと思いましたし、(経験することができて)すごく良かったなと思います。楽しかったです。ああいう雰囲気をつくってくれるサポーターにはとても感謝しています」

―初戦のオマーン戦では3-0の後半28分から途中出場しました。ザッケローニ監督からはどんな指示を受けていたんですか?
「勝っていましたし、『しっかり守備から入れ』と言われていたので、その部分はすごく意識して入りました」

―攻撃面ではどのようなプレーをするイメージを持っていましたか?
「チャンスがあれば得点を狙っていきましたけど、決められなくて残念でした」

―代表合宿では他の選手のゴールへの意識を感じたと話していましたが、もともとその意識を持っている清武選手にとっても違うものだったんですか?
「みんな貪欲だったし、自分もあれくらい貪欲になれれば、一番いいんじゃないかなと思いましたね」

―A代表の選手とは久しぶりに一緒にプレーしましたが、さらにレベルが上がっていると感じましたか?
「みんな自信がみなぎってサッカーをしていましたし、自分もそういうところが必要だと思います」

―9月のイラク戦でもっと自信を持ってプレーするためにも、これからの3か月間はとても大事になりそうですね。
「海外でもまれるでしょうし、厳しい環境に自分の身を置くことで、もう一回違ったことにチャレンジするというか、そういうことができれば自然と自信は付いてくると思います」

―周囲の期待はどんどん高まってきていると思いますが、自分のプレーとの差をどう感じていますか?
「今、みんなが期待してくれているほど、自分のプレーは出せていないと思うので、そこはすごく悩みますけど、下を向いていてもしょうがないですし、上を向いてしっかりやらないといけないと思っています。すぐにオリンピックも始まりますし、自分のプレーを期待と同じくらいに、それ以上に持っていけたら、自分が強くなると思います」

―代表からクラブに帰ってくると、いいプレーができると言っていましたよね?
「そうなんですよ。それは自信の面だと思います。海外組の選手と一緒にやって、自分も『これだけできた』という自信がそのときはありますし、それはセレッソのコーチからも言われました」

―代表の短い期間でも自信が付くということを考えると、海外へ行けばより刺激を受けそうですね。
「だから、めっちゃ楽しみですね」

―移籍するニュルンベルクの街やチームの研究は進んでいますか? 前線には若手選手が多いようですが。
「(クラブは)若い選手を取って、世代交代というのを考えているらしいです。だから自分もそこで活躍できるように頑張りたいなと思います」

―ブンデスリーガは見ていますか?
「全然見ないっす。ダメでしょ?(苦笑) ただ、技術は日本人の方が上手いとはよく聞きます」

―欧州特有の粘土質のピッチになりますが?
「ピッチの違いについてもよく聞きます。日本はピッチがいいじゃないですか。この前のオーストラリア戦のピッチが『(ドイツと)似ている』と槙野(智章)くんとかも言っていたけど、あれくらいのグラウンドだったら全然問題ないと思います。でも、冬とかは滑ってズルっといってしまうようなので、そういう環境の面でも苦労すると思いますが、良い経験ができるんじゃないかなと思っています」

―ニュルンベルクは内陸に位置していて特に寒いようですが?
「嫌だな~。寒いのは嫌いっすね。だけど、日本じゃないので、そういう(未知の体験)のも楽しみです。超、楽しみにしています」

―リラックス方法は考えていますか?
「とりあえずお風呂に入りたいですね。ゆっくりできるし。ニュルンベルクは古い街なので、周りの散歩とかもしてみたいですし、初めてのことが多いのでワクワクしています」

―奥さんも楽しみにしていますか?
「奥さんもすごく楽しみにしていて、最初は連れて行こうと思っていたんですけど、難しいかなと思います。自分が慣れてからじゃないと、2人とも環境面を知らないまま行ったら大変じゃないかなと。1か月や2か月で慣れると思うので(そのあとに呼びたい)」

―では、最初は一人の心細さとの戦いにもなりますね。
「めっちゃ寂しいですよ。でも、違う環境に一人でいて、たぶんその2か月でグーンと伸びるんじゃないかなと思います。考えて悩んで。きっと壁にぶち当たると思う。いろいろな面、環境面にしても、言葉にしても、プレーにしても。そこで全部乗り越えたら、また違う自分を見せられるんじゃないかなと思っています」

―今までぶち当たってきた壁の中で一番大きなものは何だったんですか?
「僕は結構ありますよ。高校3年生のとき、骨折で一度もサッカーしていないんですよ。そのときはもう2度とサッカーができないんじゃないかと思いましたし、プロに入ったら、周りに上手い選手がたくさんいすぎて。(大分では金崎)夢生くんもいたし、セレッソに行ったら(香川)真司くんや乾(貴士)くん、家長(昭博)くんもいて、試合に出られないことが自分にとって一回一回、壁だったと思います。セレッソにも『俺は一回も出られないんじゃないか』と思って行きましたし。周りの選手がすごくいいと思ったこともありましたけど、自分の調子がすごく良いときに試合に出られないということでへこんだりしていました」

―清武選手にとって、その壁を乗り越えるための活力源は何だったんですか?
「上手くなりたいとか、有名になりたいとか。そこが大きかったですかね」

―今回は壁に当たることも覚悟の上での海外挑戦ですか?
「(香川)真司くんもああいう風にケガをして、あのときが一つの壁だったと思いますし、だから壁に当たらないということはないと思います」

―どんな壁が待っているか、楽しみでもありますか?
「楽しみの方が大きい。楽しみです。早く行きたい。だけど、(C大阪でまだ試合があるので)結果を残して行きたいですね」

―何で一番苦労しそうですか?
「言葉ですかね。ドイツ語も少しやりましたけど、英語ともちょっと違うので、とても難しいです。4月くらいから始めましたけど、でも3回で終わりました。言い訳になってしまうけど、代表とかで忙しくなって行けなくなってしまった。言い訳です(苦笑)」

―言葉は不安だけど、プレー面については不安はないということですか?
「やってみないと分からない感じです。(ブンデスリーガを)あまり見ていないので、やってみないと分からないです」

―ドイツの大柄な選手を攻略するための術をどう考えていますか?
「動くことが第一前提じゃないかなと思います。ちょこちょこ動いたり、走ったり。それが一番だと思います。この前のオーストラリア戦も相当大きな選手がいました。あの中で崩すためには、たくさん動かないとマークを外せないので、まず動いてというのが一番だと思います」

―ニュルンベルクは昨季、34試合で38得点とリーグワースト4位タイの数字でした。個人の目標は2ケタ得点になりますか?
「自分が日本にいて、ブラジル人とか来ると、期待しちゃう部分がある。逆の立場なので期待されていると思いますし、そこで結果を出さないといけないと思います」

―一番こだわるのはゴールですか?
「そうですね。ゴール。そしてアシスト。とりあえず目に見える結果、数字が一番ですね」

―大分でのプロ1年目だった08年8月9日の清水戦に途中出場し、Jリーグデビュー戦でゴールを決めました。それと同じように行きたいですね。
「最初にガツンと行っておきたいですね。それは分からないですけど、寝るときとかに思い浮かぶんですよ。夢じゃないんですけど、『開幕戦でゴールを決めたら格好いいな』とか。そういうイメージはあるので決めたいですけど、そんなに甘くないでしょう(笑)」

―香川選手の成功はかなりイメージとしてなぞる部分がありますか?
「(C大阪から移籍して)2年間であんなところまで行ってしまいましたからね。すごいなと思いますけど、真司くんは自分でつかんだものですし、自分でつかまないといけない。ただ、真司くんみたいにはなりたいと思います」

―日本代表で香川選手との差を感じましたか?
「差というか、すごく勉強になりました。一つひとつのプレーとか気持ちの面とか。ああいう大柄な選手相手でも技術で負けていなかったし、一瞬一瞬の判断がオーストラリア戦ではすごかったと思います。自分はまだまだですね。いっぱいレベルアップしなければいけない。ただ、時間をかけてレベルアップするよりも、一気にいけるところまでいきたいと思います」

―清武選手が着用しているスパイク『adizero F50』がもたらすものとは何ですか?
「スピードだったり、ボールタッチもすごくやりやすいと思います」

―どんな選手に履いてもらいたいですか?
「前の選手ですね。デザインが格好いいし、(プロでも)前の選手で履いている人が多いじゃないですか。だから前の選手に履いてもらいたいなと思います」

―テクニックがある選手にとって、足元が目立つのも良いことですか?
「僕も目立つスパイクが好きなので、良いですね」

―最後にロンドン五輪について。いよいよメンバーも決まりますが、五輪への気持ちは?
「気持ちはすごくありますし、メダルを目指して頑張りたいと思います。W杯予選はとりあえず9月までないので、(五輪に)集中してやりたいですね」

―気持ちが高まってきている感覚は自分の中でも感じますか?
「そろそろだな、とは自分でも思いますし、ワクワクしています」

―初戦はスペイン戦です。
「あまり負ける気がしないというか……。こんなに大口を叩いて負けちゃいけないですけど、名前負けもしているとは思わないし、チャレンジですね」

―勝利のイメージはできていますか?
「できていますよ。勝ちますもん、絶対に」

―ゴールのイメージも?
「そうですね。でも、自分のゴールよりチームが勝てればそれでいいです」

―スペイン戦に懸ける気持ちが強いんですか?
「強い相手に勝ったら、若いチームはたぶん勢いで行けるんですよ。だから、勝って勢いを付けることも大事だと思います」

―個人的にも世界大会は特別ですか?
「初めてなので、楽しみですね」

―何かを学んできたいというものはありますか?
「ないですね。とにかく勝ちたいです。だれとやりたいというのもない。(大事なことは)日本が勝つことです。日本がレベルアップするためには、とりあえず強いチームに勝って結果を残すことだと思う。それが一番じゃないかなと」

―五輪は見てこなかったということですが、それは三浦淳宏選手が出ていたシドニー五輪のときもですか?
「見てなかったですね。(三浦淳宏は)めっちゃ憧れでしたね。僕は小学校が一緒だったので」

―ロンドンでは日本サッカーのどんなところを見てもらいたいですか?
「今、サッカーがすごく盛り上がっていますし、そういうブームには乗りたいと思います。ただ、去年、震災があって、復興はまだ全然していないと思いますし、そういう意味でサッカーというのはすごく元気を与えられるスポーツだと思うので、自分たちが結果を残すことで(被災した方々を)元気づけられればと思っています」

(取材・文 吉田太郎)

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