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U-23日本代表MF扇原貴宏インタビュー「メキシコ五輪の記録を上回りたい」

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 5大会連続の五輪出場権を獲得したU-23日本代表。パスサッカーを持ち味とする関塚ジャパンの攻守をつなぐのが、183cmの大型ボランチ、MF扇原貴宏(C大阪)だ。日本がロンドン行きを決めた3月14日の五輪アジア最終予選・バーレーン戦(2-0)では、後半10分にゴール前まで走り込み、右足で先制点を決めている。予備登録メンバー35人に名を連ね、五輪本大会でも中心選手としての活躍が期待される扇原は「メダルを持ち帰りたい」とロンドンへの決意を語った。

―今シーズン、C大阪と自身の調子はどうですか?
「チームは良いスタートを切れたと思うのですが、最近は勝てていないので、もう一度しっかり勝ち続けられるように、チームの調子も、自分の調子も上げていきたいと思います。自分自身、まだまだ波があるので、もっと90分を通してしっかり走り切ったり、チームの勝利に貢献できるようにしたいです。自分の特徴であるパスなどで貢献できたらと思います」

―試合に出続けることで手応えもあるのでは?
「シーズンの初めから出場するのは初めてですし、毎週毎週、試合があるリズムにも慣れてきました。ここを乗り切れば、もっと余裕が出てくると思いますし、シーズンを通して戦うことによって、心と体のバランスも大事だなと思いました。そういうのもすごく重要だなと感じたので、メンタルのコントロールもできれば、もっと良いパフォーマンスができると思います」

―昨季とは違いますか?
「昨年はガムシャラにやっていただけでした。今年は開幕からずっと試合に出させてもらっていることもあって、それなりの責任感もあります。そういう意味でもチームの成績には自分たちの働きが重要になるので、今年は重要なシーズンだと思います」

―今季は中盤でマルチネス選手がいなくなりました。
「マルチネスがいなくなったけど、その分、自分がいれば大丈夫だと思ってもらえるようなプレーをしたいですね。でも、その働きはまだまだできていないので。まずはチームが勝てるようにしたいです」

―五輪アジア最終予選を勝ち抜いて、自信は付きましたか?
「そうですね。大事な試合を経験できて、オリンピックの切符を手にできたので。それを無駄にはしたくないですし、自分のレベルアップにつなげて、本大会のメンバーにもしっかり選ばれて、ロンドンでしっかり活躍したいです」

―予選を通じて、最も自分らしさを出せた場面はどこだと思いますか?
「どの試合というわけではないですが、ホームでやった試合はある程度、自分たちのサッカーができる環境にあります。相手も引いてくるので。その中では自分の縦パスだったり、攻撃の組み立ての部分はある程度できたかなと思います」

―具体的なプレーで印象的なものはありますか?
「初戦のマレーシア戦(2-0)の先制点につながったパスですね。あれは東(慶悟)くんがうまく落としてくれましたけど(扇原の縦パスを東が落とし、清武弘嗣とワンツーの形で抜け出した東が先制点を決めた)、それが得点につながったのはうれしかったですね」

―東選手は『かなり厳しいパスだった』と話していました。
「ハハハ(笑)。ホンマにそうだと思います。速いパスじゃないと通らんなと思ったのですが、東くんは技術がすごくあるので、信じて出した感じですね」

―それまで関塚ジャパンでは先発したことがなかったにもかかわらず、最終予選の初戦にスタメンで出ました。
「そうですね。あの試合は自分にとってチャンスでした。チームにとっても重要でしたけど、個人にとっても今後を占う一戦だったので、すごく気合いは入っていましたね」

―予選を通じて成長できたと思いますか?
「厳しいアウェーの戦いを経験できましたし、そういう試合をこなしていく中で、余裕も出てきたり、試合を積み重ねることができて、精神的に成長できたかなと思います。それをしっかり継続しながら、これからもどんどん成長できたらいいかなと思っています」

―技術的な成長は?
「技術的には劇的に変わるものはないと思います。でも、やっていくうちに自信が付いて、プレーに余裕が出てきたり、普段通りのプレーが出せるようにはなってきたかなと思います」

―伸びたというよりは、自分の100%に近いプレーを出せるようになった?
「そうですね。自信を持ってプレーできるようになったと思いますし、そこが変わったところだと思います」

―五輪最終予選の活躍があって、全国的にも名前を知られるようになったと思いますが?
「セレッソでもそうですし、やっぱりオリンピックの試合はテレビで多くの方々が見てくれているので。少しは名前が広がったと思いますし、そういう意味でもみなさんの期待は高まってきたと思うので、そういう期待を前よりは感じるようになりましたね」

―以前は扇原選手がCBで、山口螢選手が攻撃的MFでした。五輪代表でダブルボランチを組む機会も多い2人の連係についてはどうですか?
「今はどちらかというと僕が攻撃的で、螢くんが守備的なので、昔とはまったく違う役割になっています。今はそれで良いバランスを保てていると思いますし、お互いの特徴も出ていると思うので。これからもっと連係を深めれば、もっと良いサッカーができると思うし、コンビを組み始めて長くもないので、これからもっともっと良くなるはず。そういう意味でも、2人ともしっかりセレッソで結果を出せたらいいなと思います」

―2人の間で攻守の役割が変わった理由は何かあるんですか?
「オリンピックチームでは、螢くんがずっと守備的な役割をやっていて、そこに僕が試合に出るようになったので、そういう流れで変わったような感じですね」

―でも、扇原選手の前に山口選手とコンビを組んでいた山村和也選手は決して攻撃的ではないですよね?
「そうですけど、螢くんが出るときは守備の面も求められていたと思うし、そういう部分で僕と組んだときも自然にそうなっていったのかなと思います。特別、話してこうしようとしたわけではないですし、自分たちでも、こういう役割になっていくとは想像もしていませんでしたね」

―セレッソでも一緒にプレーしていて、やりやすさはありますか?
「毎試合一緒にやっていますし、やりやすいですね。個人個人がもっとレベルアップできれば、もっと怖い存在になれると思うので、これからもレベルアップしていきたいです」

―五輪代表で自分に求められることは何だと思いますか?
「やっぱりより多くボールに絡んで、なるべくボールを前に運んで、攻撃は自分のところでしっかり組み立てること。前線にはすごく良い選手がたくさんいるので、そういう選手にどういうパスを出せるか。それがすごく重要なので。前線の選手に良いボールを供給することは求められているかなと思います。あとはセットプレーのところで、チームの役割を果たせればと思っています」

―ロンドンへの思いはいかがですか?
「個人的に、世界大会に出るのが初めてになりますからね。今まで世界大会を経験していない分、そういう大会に懸ける思いは強いですし、まずはメンバーに残ることが第一ですが、世界と真剣勝負できる貴重な機会なので、自分がどれだけ通用するか、すごく楽しみです。その中でどれだけ成長できるかも楽しみですし、そういう中でまた成長できたら良いかなと思うので、そういう試合でしっかり自分を出せるようにしたいですね」

―対戦相手も決まって実感も沸いてきましたか?
「いよいよだなという感じはしてきましたし、優勝候補であるスペインと同じ組になれたので。そこで勝てれば、チームとしても勢いに乗るだろうし、自信も付くだろうと思うので。最初のスペイン戦はすごく重要ですし、楽しみですね」

―組み合わせが決まったときの率直の印象はいかがでしたか?
「あまり何も意識しなかったですが、スペインとやれるんだというのは、第一にありましたね。他の国も予選を戦って勝ち抜いてきた国々なので、強いことには変わりないと思います。その中でグループリーグを突破できる自信もありますし、チームとしてメダルを狙っているので、そこは勝ち抜いていきたいと思います」

―スペインの印象は?
「バルセロナで試合に出ている選手もいますので、彼らが中心になると思います。技術的に高い選手がそろっていると思いますが、それに負けないくらい日本も技術があると思うので、スペイン相手にもしっかり渡り合えるようにしたいですね」

―正直『嫌だな』という気持ちはなかったですか?
「嫌だなと思ったことはないですね。すごく楽しみな部分の方が多いですし、そこに勝てれば世間も注目してくれると思うので。オリンピックは他の競技もあるので、結果が大事だと思います。そこでいい結果が付いて来れば、いろいろな人にも見てもらえると思うので。なでしこだけではなく、男子にも注目してもらいたいですし、なでしこは結果を出して注目を集めていると思うので、男子も結果を残していければと思いますね」

―新しい『プレデター リーサル ゾーン』を履いていますが?
「これまでもプレデターを履いて試合をやってきました。高校生のときから履いていました。履きやすさもあって、自分はキックを特徴としていたので。ボールタッチもそうですし、ボールの蹴りやすさという部分でもすごくパスが出しやすいし、自分のプレーにフィットしましたね」

―今回は色も変わりましたね。
「デザインも変わりましたが、すごくかっこいいと思いますね。色へのこだわりは特にないんですが、デザインも良いですよね? だれが見てもかっこいいと思います。スタジアムで見ていても目立つデザインだと思うので、みなさんにもぜひプレーするときはこのシューズでプレーしてもらいたいですね」

―履いて違いを感じますか?
「初めて履いたときのフィット感は、これまでのモノ以上でした。足なじみが本当に良いですね。それと軽さもですね。今回のプレデターは軽くて、しっかりとした部分も維持されているので、プラスな部分ばかりですよ。ボールを蹴っても、とても蹴りやすいですね」

―キックのフィーリングはどうですか?
「球種の使い分けはやりやすいです。例えばシュートを打つときは、より強力なシュートになったりします。僕は一番インサイドを使いますが、パスを出すときもインサイドのところにスポンジが入っているので、ボールタッチをすごく助けてくれます」

―スパイクを選ぶうえでのこだわりはありますか?
「履き心地は重要だと思いますし、履いた瞬間にやっぱりこれはフィットするので。そういう意味でも履きやすいですね」

―五輪本大会で、どういうプレーを見せていきたいですか?
「ロンドンでもこのスパイクを履いて、自分の特徴であるゲームを組み立てるところであったり、左足のキックをしっかり見せたいと思います」

―組み立てにこだわるという意味では、アシストの方がゴールより好きですか?
「サッカーをやっている上で、ゴールは取りたいと思いながら毎試合プレーしています。ゴールを取れれば一番良いんですけど」

―何色のメダルを持って帰ってきてくれますか?
「もちろん、一番輝いているメダルを取りたいと思いますが、簡単なことではないと思うので。昔、メキシコ大会で銅メダルを取っていますが、その記録を上回れるようにしたいですね。個人的にも世界にアピールできるチャンスだと思います。このスパイクを履いていれば、自然と目立つと思うので。あとは自分が良いプレーをして、良い印象を残せるように頑張ります」

(取材・文 河合拓)

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