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ヤングなでしこ・吉田監督「5-3で勝つつもりだったが…」

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[9.4 U-20女子W杯準決勝 日本0-3ドイツ 国立]

 自国開催のW杯で、初の4強進出を果たすなど快進撃を見せてきたU-20日本女子代表だったが、準決勝でドイツに0-3で敗れ、決勝進出は果たせなかった。チームを率いた吉田弘監督は「予定では5-3で勝つつもりだったのですが、点を取れなかったというのが…。立ち上がり、ちょっとしたところをしっかり決められてしまった。なかなか自分たちのリズムでボールを回せなかったことが少し残念です」と敗戦を悔しがった。

 ドイツのマレン・マイネルト監督が「開始1分も経たないうちに先制できたのはラッキーでした」と語ったように、キックオフから1分で決まった先制点が、試合の行方を大きく左右した。吉田監督も「最終ラインを突破され、先制点を許してしまった。これで浮き足立ってしまった」と認め、今大会5試合を終えて無失点のドイツの強さを称賛した。

「うまく試合に入っていけなかったのではなく、DFの裏を簡単に取られて失点してしまいましたよね。その辺で、本人たちのちょっとした自信や気持ちをうまくできなかったかなと思います。最初の失点もそうですし、2点目もそうですし、3点目も誰も競れないでヘディングされてしまいました。すべてがちょっとしたことでやられているので。今まではちょっとしたことでも簡単にやられることはなかったですが、そこはやはりドイツの精度の高さと強かった部分だと感じています」

 それでも、世界の舞台でベスト4まで勝ち進んで選手たちの将来には、大きな可能性を感じており「(これからの)可能性については、十分やれるだろうなと思っている部分はあります」と話している。その上で守備面、攻撃面での課題を指摘した。

「一番大きいのは、ちょっとした隙でやられているところ」と、守備での課題について指摘する。「DFの裏から入られたところを見失ったり、ちょっと競れなかったことで失点を食らっているので。そのちょっとしたことにこだわって、競れるようにしないといけないし、裏へ対応できるようにしないといけない。今回、痛い目に合ったディフェンスラインは、学んでくれたらいいかなと思います」と、今回の経験を次につなげることを期待した。

また今大会初のノーゴールに終わった攻撃についても、縦パスの精度に課題が残ったと指摘する。「縦に入るパスの精度、(相手が)真ん中を固めているときに、ブロックの中に入れたボールからカウンターを食らっている場面がありました。あとはサイドにボールを付けたときにどういう風に崩していくか。そういったところが課題ではないかなと思っています」と、再びドイツのような個の強い相手と戦うまでに克服すべき課題だと語った。

 準決勝で敗れたが、ここから3位決定戦に向けて気持ちを切り替えることが重要だ。「私は(3位決定戦を)やるしかないと切り替えている」と話す指揮官は、選手たちにも気持ちの切り替えを求めた。「自分たちが(決勝の舞台で)やれないことで、ちょっと泣き崩れている選手がいますが、今晩でサッと忘れて、逆に元気の良い選手たちが明日からの練習で競い合ってくれるといいなと思います」。すでに過去最高の結果を残したヤングなでしこ。大会を笑顔で締めくくるためにも、気持ちを切り替え、8日のナイジェリア戦に挑みたい。

(取材・文 河合拓)

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