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札幌が6連敗でJ2降格決定、J史上最速&最多タイ4度目の降格…

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[9.29 J1第27節 川崎F1-0札幌 等々力]

 J1第27節は29日、各地で9試合を行い、川崎フロンターレはホームでコンサドーレ札幌と対戦し、後半35分に途中出場のFWレナトが決勝点を決め、1-0で競り勝った。6連敗となった札幌は1年でのJ2降格が決定。4度目のJ2降格は京都と並んでリーグ最多タイ記録で、9月中に降格が決まるのはJリーグ史上初めて。また、7試合を残して降格が決まったのは、07年の横浜FC、08年の札幌の残り5試合での降格決定を抜いて、史上最速でのJ2降格となった。

 DF田中裕介とDF井川祐輔が出場停止明けの川崎Fは田中裕が右SBで2試合ぶりに先発復帰。それ以外は7試合ぶりの勝利を挙げた前節のF東京戦(2-1)と同じ先発メンバーで、FW楠神順平を1トップに2列目には右からFW大島僚太、MF風間宏矢、FW山瀬功治と並んだ。
 5連敗中の札幌はMF高木純平が出場停止のため、代わってMF古田寛幸が右MFで2試合ぶりに先発。前節・大宮戦(0-5)に続いて3バックを継続し、MF山本真希がボランチ、MF岩沼俊介が左MFで先発した。
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 負ければ降格決定となる札幌は前半10分、FWハモンからの縦パスを受けた山本が右45度の位置から右足を振り抜くが、わずかにゴール左へ外れる。降格阻止へ立ち上がりから気持ちのこもったプレーを見せるが、徐々に川崎Fに押し込まれていった。

 川崎Fは前半16分、ドリブル突破から右サイドをえぐった田中裕がマイナスに折り返し、楠神が右足で合わせたが、シュートはゴール上へ。同20分にはMF中村憲剛からパスを受けた山瀬が右足ミドル。しかし、これも枠を捉え切れず、ゴール左へ外れた。

 前半25分には札幌がセットプレーからチャンスをつくる。左CKからショートコーナーでつなぎ、ハモンのシュート性のクロスがゴールに向かい、GK杉山力裕がパンチングでクリア。川崎Fも前半37分に中村が絶妙なスルーパスを通し、決定機を演出したが、楠神のシュートはGK高原寿康の好セーブに遭った。

 前半を0-0で折り返すと、札幌は後半開始からDF金載桓に代えてDF櫛引一紀を投入。自陣深くにブロックを形成し、川崎Fの攻撃を跳ね返した。川崎Fは後半8分、中村の左CKからGKがこぼしたボールを田中裕が左足で狙うが、至近距離でGKがセーブ。同15分の中村の右足ミドルもゴール上に外れるなど、守備を固める札幌を攻めあぐねた。

 札幌は後半16分、FW内村圭宏に代えてFW上原慎也を投入し、2枚目のカードを切る。J1残留のためには何とか点を取って勝ち点3を奪いたいが、なかなか攻撃の糸口を見つけられなかった。川崎Fは再三、セットプレーのチャンスをつかむが、1点が遠い。後半21分、中村の右CKからこぼれ球を山瀬がエリア外から狙うが、シュートはゴール左へそれる。同31分には風間矢に代えてFWレナトを投入し、最初のカードを切った。

 この交代策がズバリ当たった。後半35分、ついに均衡が破れる。中村からパスを受けたDF山越享太郎がPA内に仕掛け、ヒールパス。これをレナトが左足を振り抜くと、アウト回転のかかったシュートにGKは逆を突かれ、その手を弾いてゴールネットを揺らした。

 追い込まれた札幌は直後の後半36分、MF岡本賢明に代えてFW榊翔太を投入し、最後のカードを切る。今節でのJ2降格決定を阻止するため必死の反撃に出るが、後半43分の上原のシュートもGKがセーブ。川崎Fも後半ロスタイムにカウンターからダメ押しの絶好機を迎えるが、中村のシュートはポストに弾かれた。結局、試合は1-0で終了。2連勝の川崎Fに対し、6連敗となった札幌は1年でのJ2降格が決まった。

(取材・文 西山紘平)

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