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成長を続ける城西国際大、『19-0』の大差で4連勝飾る

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[9.30 千葉大学2部L第4節 城西国際大19-0千葉科学大 城西国際大G]

 平成24年度千葉県大学サッカーリーグ秋期2部リーグは30日、第4節を行った。「PRINCE TAKAMADO MEMORIAL SPORTS PARK(高円宮殿下記念スポーツパーク)」(城西国際大G)の第2試合では城西国際大が千葉科学大を19-0の大差で下し、4連勝(不戦勝1)を飾った。

 現在2戦連続で複数得点ゲームを続ける“1年生軍団”の城西国際大。この日もシステムは4-2-3-1でスタートさせる。GKは怪我から復帰した大野哲煥(1年=広島ユース)、4バックは右から溝口大気(1年=室蘭大谷高)、呉島勝士(1年=広島皆実高)、佐々木祐介(1年=大津高)、重行拓也(1年=広島ユース)を並べる。中盤はダブルボランチに橋本渉(1年=広島皆実高)と桑野淳史(1年=福岡U-18)。2列目は右MFに小嶋慶蔵(1年=長崎日大高)、左MFは米澤康太(1年=都城工高)、トップ下に井之元和之(1年=都城高)を配し、1トップには2戦連続ハットトリック中の寺田大輝(1年=浜松開誠館高)が入った。

 実力に勝る城西国際大イレブンだが、試合開始早々に呉島がボールコントロールをミス。だがGK大野が飛び出して難を逃れると、気合を入れなおしたイレブンは、次々と相手ゴールに迫った。前半4分、桑野のクロスのこぼれ球に反応した佐々木がコースを狙った絶妙なシュートでゴールネットを揺らす。試合後、「完璧っす」と弾けんばかりの笑顔で振り返った佐々木の得点でゴールラッシュの幕が開ける。

 13分、今度は米澤からのクロスを寺田が右足で合わせる。1度はGKに阻まれるもこぼれ球を押し込み追加点を奪う。16分の得点は、桑野が抜け出しGKをかわして無人のゴールに流し込んだ。さらに2分後の18分には右サイドで得たFKを桑野がニアに蹴り入れる。飛び込んだ重行がドンピシャヘッドで合わせて、リードを広げた。

 素早い縦パスから裏への飛び出しを狙う城西国際大イレブン。だが相手DFの網にかかるプレーが続くと、すかさず小山哲司監督からは「ゴールへ行け!ゴールへ!!」と激しい激が飛んだ。その声に刺激されたイレブンは力を抜くことなく攻め続ける。22分、重行が細かいドリブルでPA内に侵入し、クロスを入れると、ファーサイドで小嶋が押し込み5点目を奪う。続けざま23分には、右サイドで粘った井之元からのパスを受けた米澤が左足強烈シュートでゴールネットを揺らす。36分には溝口の折り返しを寺田が沈めて、結局、前半を7点リードで折り返すこととなった。

 後半開始から小嶋に代えて花本敏生(1年=米子北高)を投入。そのまま花本を左MFに据えたが、勢いはとどまることを知らなかった。6分、佐々木からのロングフィードに抜け出した井之元が飛び出したGKをあざ笑うかのようなループシュートでゴールに流し込むと、9分には桑野のアーリークロスがそのままゴールネットを揺らす得点でリードを広げる。さらに14分にも得点した桑野はこの日、4得点を挙げた。

「複数ポジションをこなせるように」という小山監督の要求通り、11分に佐々木に代えて津川暢彰(1年=札幌U-18)を出場させると、それまで左SBだった重行をCBにして、津川を左SBで起用した。17分にはその重行が、個人技を見せてドリブル突破。PA内でDF2人をかわして右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 後半23分には最後の交代カードを切って、香川滉太(1年=瀬戸内高)を出場させる。「1本目のシュートを決めて波に乗れるように心掛けています」と話す香川は、26分のファーストシュートをきっちり決めて、さらにチームに勢いを与えた。32分には溝口がリーグ戦初ゴールを突き刺すと、38分、44分には米澤がゴールを決めてハットトリックを達成。39分に花本が2試合連続となるゴールを決めると、最後は45分と47分にゴールを奪った香川がハットトリックを達成し、ゴールラッシュを締めくくった。

「チームとしては(欲しいのは)勝ち点3だけ」とあくまで勝利を追及する姿勢を強調した小山監督だったが、「攻守の切り替えの早さ、コンパクトフィールド、判断の早さの3つを選手には求めています。こういう試合では実践するのが難しいのですが、切り替えという意味では、中盤で潰そうという意識が徐々に見えてきている」と選手の成長には目を細めていた。

 19得点という圧勝劇。最大の武器である若さが今は最大の追い風となってチームを支えている。さらに上位校と戦った時にぶち当たるであろう壁までも乗り越えられそうな勢いが、今の城西国際大にはある。だが選手たちに気負いはない。

「今後もしっかりと1つ1つ大事にやっていって、試合をとおしてレベルが上がるように、みんなで頑張っていきたい」

 GK大野哲煥の話すとおり、イレブンはしっかり地に足を付け、成長の歩を進めていく。

(取材・文 児玉幸洋)

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