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J1初ゴールも、悔しさが上回るF東京 MF高橋「(ゴールした)感触がない」

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[10.6 J1第28節 鹿島5-1F東京 カシマ]

 4点のビハインドを背負って迎えた後半38分、FC東京はCKを得る。ボールを置いたMF石川直宏は、フリーで寄ってきたMF米本拓司へのショートコーナーを蹴ると、米本はPA内にクロスを入れる。これをFWエジミウソンがトラップして、左足でシュートを打ったが、ボールはゴール左に飛んだ。そこにいたMF高橋秀人が、右足のインサイドでボールを引っかけて、軸足の左足の後ろを通す技ありのゴールを決めた。

 だが、自身のパフォーマンスについて「全然良くない」と振り返る高橋は、J1初ゴールであることを指摘され「ああ、初か。あんまり感触がなかった」と言い、「それよりも0-3になってから相手がサポーターのところに行き、喜ぶ姿を見たくなかった。悔しさがどんどん強くなっていったし、そういう部分を見たくなかった。腹立たしかったし、自分自身のパフォーマンスに満足していない」と、一気にまくしたてた。

 試合内容について、ランコ・ポポヴィッチ監督は「うちはやりたいことがすべて上手くいかなかった試合」と総括したが、高橋は「やりたいサッカーはできていた」と言う。「ただ、その中で(鹿島の)枠内シュートがすべて入ってしまった。試合を進めるにあたっての上手さ、強さが、アントラーズの方が一段階も二段階も上にあったと思います。思っていた以上に、個人個人の能力がはっきりしたものがあったし、2列目の選手がキープできるから、前線の選手が飛び出せる。若干、後ろに引いた後のカウンターも脅威でしたし、自信を持ってドリブルや仕掛けをしてきたので、対応の部分で後手になったのは残念です」と、唇を噛んだ。

 日本代表の欧州遠征メンバーに選出された高橋は、その間にチームが大敗から立ち直ることを信じていると語った。「チームは来週、ナビスコ杯(準決勝の第2レグ・清水戦)があります。自分は、みんながセカンドレグで結果を残して、決勝の切符を勝ち取ってくれることを信じて、海外から見守ってきたい。その後のセレッソ戦(20日)、ナビスコ杯の決勝に向けて、自分は自分、チームはチームで良い準備をしたいと思います」と、チームを気にかけながらも、気持ちを切り替えて、日本代表として与えられた役割を全うすることを強調した。

(取材・文 河合拓)

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