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苦難乗り越えJ1制覇の森崎ツインズ 和幸「恩返しできた」、浩司「報われた」

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[11.24 J1第33節 広島4-1C大阪 広島ビ]

 広島一筋、生え抜きの森崎ツインズが、史上初となる双子でのJ1制覇を成し遂げた。サンフレッチェ広島のMF森崎和幸とMF森崎浩司。広島市出身の2人は広島ユースからそろって00年にトップチームに入団した。プロ13年目での悲願に兄の和幸が「自分でもビックリするぐらいの喜び方だった」と感情を爆発させれば、弟の浩司は「なんか実感がまだなくて。みんな泣いていたけど、泣いていいのかどうかって。そういう気持ちだった」と、ピッチ上で大の字になった。

 06年にオーバートレーニング症候群を発症した和幸は09年にも慢性疲労性症候群で離脱する時期があった。浩司も05年、09年とオーバートレーニング症候群によりチームを離れている。個人として、チームとして苦しんだ日々。和幸が「引退も考えたし、サッカーを辞めたいという時期もあったけど、サポーターの支えがあって、選手として戻ってこれた。その恩返しがやっとできた」とサポーターに感謝すれば、浩司は「長かったですね。いろいろ苦しいことがあったけど、報われたのかなと思うし、この広島で育ったので、サンフレッチェで優勝できたことがうれしい」と心を込めて言った。

「2人で最後までピッチに立って、地元のクラブで優勝できて、これ以上の喜びはない。双子での優勝は今までないということで、史上初のことができてうれしい」と和幸。満員のスタジアムに「試合前から震えていた」という浩司。フル出場を果たし、広島ビッグアーチのピッチで優勝の瞬間を2人で迎えた森崎ツインズの名は、永遠にJリーグの歴史に刻まれる。

(取材・文 西山紘平)

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