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次を見据えるMF遠藤「ガンバが良いチームなのは間違いない」

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[12.1 J1第34節 磐田2-1G大阪 ヤマハ]

 日本代表の選手たちも一目を置く、歴代最多となる124試合に出場した稀代の司令塔でも、この結末は予想できなかったに違いない。2001年に京都からガンバ大阪に加入し、2005年のリーグ優勝をはじめ、数々のタイトルを獲得し、日本代表でも不可欠な存在となったMF遠藤保仁は1日のJリーグ最終節で1-2とジュビロ磐田に敗れた試合後、「悔しさしかない。1点の重みをあらためて感じた」と唇を噛んだ。

 前半5分に磐田に先制点を許したG大阪は、後半に入ってから反撃に出た。「前半は前半で、いつものガンバらしさはなかったと思うが、体を張ったりしていたし、ある程度できていたと感じていた」と遠藤は振り返る。前半は最終ラインから前線へボールをさばくことに腐心していたが、後半に入ると高い位置でチャンスをつくろうとした。しかし、この日はパスミスが目に付き、本来のパフォーマンスとは程遠いプレーに終わった。

「こういう状況にしたのも自分たちですし、それをしっかり受け止めなければいけないと感じています。先制されても、あきらめている選手はいなかったけど、意図した展開に持っていけなかった。これは1年を通して言えることですが」と、今季を象徴するような試合を振り返った。

 降格の要因は、前半戦にあるという。実際、昨シーズンまで10シーズンにわたって指揮を執った西野朗監督と契約満了を迎えたチームは、セホーン監督と呂比須ワグナー・ヘッドコーチを招へいし、今季の開幕を迎えた。しかし、二頭体制を採用したチームは、公式戦5連敗を喫するとセホーン監督と呂比須HCを解任し、松波正信コーチを監督に昇格させた。だが、リーグ戦では開幕5試合を終えて1分4敗と大きく出遅れ、18節を終えた時点でも3勝4分け11敗の17位に低迷していた。

「シーズン中には良い補強が出来たと思う」と遠藤が振り返るように、19節を前にFWレアンドロ、20節を前にMF家長昭博を補強した中盤戦以降、チームは多少持ち直す。23節、24節には一時的に降格圏を脱し15位まで浮上したが、最後まで序盤の躓きは挽回できなかった。

 日本を代表する名手の来シーズンについて質問が殺到したが、遠藤は今シーズンが終わっていないと強調した。「気持ちを切り替えてというのは、難しい所もありますが、やるべきことをやらないといけない。まだ天皇杯が残っていますし、タイトルを取りたい思いがある。シーズンの最後にタイトルを獲得して締めくくりたい。ガンバが良いチームであることは、間違いない。J2にいるチームじゃないから、再来年帰って来られるようにしたい」と、懸命に気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

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