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[Fリーグ]4連覇中の絶対王者 名古屋のアジウ監督が退任を表明

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 衝撃的な発表だった。Fリーグは2日に第20節を大田区総合体育館で行い、第1試合では名古屋オーシャンズバサジィ大分に6-1で勝利した。その試合後の記者会見でのことだった。名古屋のアジウ監督は質疑応答が終わった後に「みなさんに、一つ伝えたいことがあります」と切り出した。

「私は今シーズンの全日本選手権までで、チームを離れることが決定しました。今シーズンは、まだ続きます。しかし、セントラル開催での試合は今日が最後になるので、みなさまに感謝の気持ちを伝えておきたいと思い、このような話をさせていただきます。ここでできた友達、多くの子供たちともイベントを通じて知り合うことができました。この素晴らしいスポーツをもっと多くの人たちに好きになってもらいたい。とても幸せな時間を日本で過ごさせてもらいました。私が来たときと同じような気持ちで、この場を去ることができます。私もここで種を撒くことができたと思いますので、幸せな気持ちです」

 シーズン途中で首位を快走しているチームの監督が、退任を発表するという極めて異例の事態が起きた。名古屋の櫻井嘉人代表取締役兼GMは、「うちのチームは選手たちが成熟してきました。以前、ミゲル監督は『スペインなら1部の残留争いをするチーム』と評していたことがあったのですが、昨年、日本代表と練習試合をして名古屋が6-0で勝利したときは『スペインでも優勝を争えるレベルだ』と評価してくれました。そこも選手の意識が高くなった結果だと思いますし、うちとしてもう一段階上に行くことを考えても、新しいタイプの戦術家を招きたいと考えました」と、明かしている。

「次の監督は、人間性を重視したい」と語った櫻井代表取締役兼GMは、すでに複数の後任候補をリストアップしているという。現役ポルトガル代表のFPリカルジーニョや、元ブラジル代表のFPマルキーニョらが加入し、世界にも『名古屋オーシャンズ』の名前は広がった。さらにリカルジーニョがW杯で活躍したことで、Fリーグでプレーしても、トップレベルを維持できることが確認でき、世界各国の監督や選手からの売り込みも増えたという。

 さらなる高みを目指す名古屋は、アジウ監督の下、まずはFリーグ2012の優勝を達成し、強化を続けていく。

(取材・文 河合拓)
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