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なでしこVSヤンなでは3-0でなでしこが勝利、男子OBチームには敗れる

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 東日本大震災復興支援チャリティマッチ「SAWA and Friends, X’mas Night 2012」が25日、東京・国立競技場で開催された。

 前半は「2012 Memories」(21歳以上女子チーム)と「2020 Future Dream」(20歳以下女子チーム)が対戦。なでしこジャパンVSヤングなでしこという夢の対決は、MF澤穂希、DF熊谷紗希、DF鮫島彩のゴールで「2012 Memories」が3-0で勝利した。

「2012 Memories」は負傷のDF近賀ゆかり、DF岩清水梓が欠場したが、それ以外は夏のロンドン五輪で銀メダルに輝いた日本女子代表(なでしこジャパン)のレギュラーがそろって先発した。GK福元美穂、4バックは右からDF矢野喬子、DF田中明日菜、熊谷、鮫島。中盤は澤とMF阪口夢穂のダブルボランチで、右にMF川澄奈穂美、左にMF宮間あやが入り、2トップはFW大儀見優季とFW大野忍が組んだ。

「2020 Future Dream」は今夏のU-20女子W杯で銅メダルを獲得したU-20日本女子代表(ヤングなでしこ)のメンバーで構成。GK池田咲紀子、4バックは右からDF高木ひかり、DF土光真代、DF木下栞、DF浜田遥と並んだ。中盤はMF田中陽子とMF猶本光がダブルボランチを組み、右にFW田中美南、トップ下にMF柴田華絵、左にMF仲田歩夢。FW横山久美が1トップを務めた。

 開始25秒、「2012 Memories」は矢野のロングフィードから抜け出した大儀見が果敢にファーストシュートを狙うと、「2020 Future Dream」も4分、田中陽が右足ミドルを放つ。12分には田中美が右サイドから個人技で突破。左足のシュートはGK福元の好守に阻まれたが、場内を沸かせた。

「2012 Memories」は11分、阪口に代えてFW高瀬愛実を投入。高瀬は左サイドに入り、澤と宮間のダブルボランチに変わった。前日24日に皇后杯決勝を戦ったINAC神戸レオネッサの選手4人(澤、川澄、大野、田中明)が先発し、高瀬も途中出場。2日連続の試合ということでさすがに動きが重かったが、若さと勢いで“金星”を狙う「2020 Future Dream」の攻勢をしたたかにかわした。

 すると26分、「2012 Memories」は川澄がスピードに乗ったドリブルで右サイドを突破。鋭い切り返しでDFをかわし、マイナスに戻したボールを宮間が右足ダイレクトで折り返すと、こぼれ球を澤が右足で押し込んだ。

 25分前後でメンバーを大幅に入れ替えた両チーム。「2012 Memories」は31分、宮間の左FKに熊谷が頭で合わせ、ゴールネットを揺らすが、これはオフサイドを取られる。一方の「2020 Future Dream」は33分に猶本が思い切ったミドルシュートを狙うが、ゴールの上に外れた。

 なでしこの“姉貴分”として負けられない「2012 Memories」は44分、宮間の左CKをニアでそらし、ファーサイドの熊谷が豪快なダイビングヘッド。今度こそ正真正銘のゴールで2-0とリードを広げると、ロスタイムにも左サイドをえぐった鮫島がゴール前に折り返し、DFのクリアミスを鮫島が右足で蹴り込んだ。終わってみれば3-0。なでしこジャパンがヤングなでしこに貫録勝ちした。

 後半は前半で対戦した2チームの混合となる「SAWA and Friends」(女子オールスターチーム)と「Legend Players」(男子OBチーム)が対戦。「SAWA and Friends」は大儀見のゴールで先制したが、「Legend Players」がMF北澤豪、MF前園真聖のゴールで2-1と逆転勝ちした。

「SAWA and Friends」はなでしこジャパンのメンバーでスタートした。GK海堀あゆみ、4バックは右から田中明、熊谷、矢野、鮫島。中盤は澤と宮間のボランチで、右に大野、左に川澄が入り、大儀見とFW安藤梢が2トップを組んだ。

「Legend Players」のGKは下川健一で、4バックは右からMF三浦淳宏、MF福西崇史、DF加藤久、DF都並敏史。中盤をMFラモス瑠偉、北澤、MF水沼貴史、MF木村和司で構成し、FW武田修宏とFW松原良香が2トップを組んだ。

 男子相手とはいえOBに負けられない意地と、OBとはいえ女子に負けられない意地。ラモスが現役さながらのテクニックを披露すれば、北澤が鋭いターンで2人をかわすなど場内を盛り上げる。それでも先制したのは「SAWA and Friends」。17分、カウンターから宮間が右サイドのスペースに展開し、川澄がゴール前に折り返すと、大儀見がダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。

「SAWA and Friends」は直後に澤と熊谷を除く9人を交代。澤も23分にベンチへ下がった。一方の「Legend Players」は加藤に代えてDF田中誠、水沼に代えて前園、木村に代えてMF藤田俊哉、武田に代えてMF名波浩、松原に代えてFW久保竜彦を投入。前半27分にオフサイドを取られた場面では、ピッチ上の選手とともにベンチの松木安太郎も大声で「オフサイドじゃない!」と抗議し、スタンドからは笑い声もあがった。

 すると31分、「Legend Players」はラモスがドリブルで仕掛け、熊谷と1対1に。自身の背後を駆け上がる北澤に絶妙な右足ヒールキックでパスを通し、北澤が左足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らした。1-1の同点に追いつき、33分には都並に代わって松木がピッチに入る。松木は現役時代を彷彿とさせるスライディングタックルでボールをカット。場内を沸かせた。

 再び11人全員を交代した 「SAWA and Friends」に対し、「Legend Players」は勝ち越しのチャンスをつくる。35分、ラモスのボールキープから右サイドを駆け上がる藤田へパス。藤田の折り返しを北澤が胸トラップから右足で狙ったが、シュートは惜しくもGKの好セーブに阻まれた。

 それでも果敢にゴールを目指す「Legend Players」は41分、ドリブルでPA内に進入した前園が鋭い切り返しでDFをかわし、右足でシュート。豪快にゴールネットを揺らし、2-1と逆転した。42分からは下川に代わってFWの武田がGKユニフォームを着て再出場。残り時間、ゴールを守り、そのまま2-1で勝利した。

※出場選手は敬称略
(取材・文 西山紘平)

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