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日本vsラトビア 試合前日の選手コメント

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 日本代表は5日、ホームズスタジアム神戸で公式練習を行い、6日のラトビア戦に向けて最終調整した。3日に所属チームでリーグ戦があったGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)、DF長友佑都(インテル)、MF細貝萌(レバークーゼン)、FW清武弘嗣(ニュルンベルク)、FW大津祐樹(VVV)の5選手も練習に合流。また、前日4日の練習は風邪のため欠席したDF内田篤人(シャルケ)も参加した。

以下、練習後の選手コメント

●FW大津祐樹(VVV)
―A代表初合流となったが?
「初めて呼ばれてうれしいし、継続的に選ばれるようにがんばりたい」
―監督と話は?
「初めてなので最初に挨拶した」
―初練習の感想は?
「個人の選手のレベルが高いし、想像していたとおり、いい経験になると思う」
―(内田から「チャラいなー」と声が飛び)イジられている感じ?
「向こう(ドイツやオランダ)でもかわいがってもらっているので。逆に入りやすいなと感じている」
―代表の話もしていた?
「プライベートで会っているので、サッカー、サッカーの話はしてない。たまにサッカーの話もするけど、代表のことで深い話はしていない」
―監督は複数のポジションをこなせると期待しているが?
「どのポジションに入っても、自分のプレースタイルは変わらない。ただ、それぞれ役割はあるし、今日も何個か言われた。チームのやり方と代表のやり方は違う。そういう意味で対応していかないといけない。オランダのサッカーではサイドの選手はサイドに張るけど、こっちでは完全に張り切らないし、中でもプレーする。自分は逆にその方がやりやすい」
―このタイミングで初招集されたのは自分の中で早かった? 遅かった?
「このタイミングでの招集が早いか遅いかは分からない。でも、入ったときにチャンスをつかめるかが大事」
―ブラジルW杯に向けてもアピールが大事?
「自分としてもブラジルは目標の一つ。そこに向けて、ここでのパフォーマンスもそうだし、チームでのパフォーマンスを上げることで先につながる。一つひとつの積み重ねが代表につながると思っているし、毎日を大事にすること」
―これまで初招集組はなかなか試合に出れないことが多いが?
「出たい気持ちは強いけど、出なかった場合はしょうがない。呼ばれて、こういう雰囲気で練習するということもすごい経験になる。試合に出ないから意味がないというわけではないし、そこで前向きにとらえられるかが大事」

●FW清武弘嗣(ニュルンベルク)
―試合前日の合流となったが?
「大事な試合だと思うし、今日もしっかり調整できた。明日、いい試合ができればと思う。W杯予選(3月26日のヨルダン戦)まで集まれる機会はない。チームとして大事な試合になるし、勝利にこだわりつつ、内容にもこだわってしっかりやりたい」
―ヨルダン戦につながる試合にしたい?
「うまい形で戦えればいいなと思う。今日もしっかり監督のやりたいことを理解して練習できた。明日はそれをピッチで表現できればいいと思う」
―攻撃のイメージは?
「引いた相手をしっかり崩さないといけない。明日は相手も引いてくると思う。しっかり攻め切りたい」

●FW乾貴士(フランクフルト)
「2列目はいつも層が厚い。そこで生き残るためには結果しかない。しっかり結果を出して生き残っていきたい」
―監督にはどこが評価されていると思う?
「攻撃の部分での裏への飛び出しやバイタルエリアに抜けたときの仕掛けを見てくれていると思う。そこをしっかり出していきたい」
―フランクフルトでは守備もがんばっているが?
「守備の面はチームと代表でやり方が違う。そこはチームのためにやることが大事」

●DF長友佑都(インテル)
―別メニューだったが?
「今日来たばかりなので、移動で硬くなった筋肉をほぐすという意味で、今日は軽めの調整をした」
―フル出場は難しい?
「フル出場? どうですかね。それは監督が決めることですが、僕自身はそのつもりで準備したいと思っています」
―帰国翌日の試合はきついが?
「プロである以上はどんな日程でもしっかりと同じようなパフォーマンスを見せていかないといけない。子供たちもたくさん来ると思う。子供たちに夢を与えられるプレーを、こういう日程の中でもやれるようにならないといけないと思う」
―この試合の位置づけは?
「3月にW杯予選がある。監督もミーティングで言っていたけど、そのためにも内容の伴った試合をしないといけない。ここでいろんなことにチャレンジできないと、きつい日程の中で来た意味がない。チャレンジできるところはどんどんチャレンジしていかないといけない」
―欧州組がどんどん増えている。この流れをどう見る?
「もちろんいい流れでは来ている。日本人が欧州で間違いなく評価されている。アジアの中でもトップレベルに評価されている。それは本当に光栄ですけど、ただ行くことに満足していては次がない。ビッグクラブで活躍するということ。そこを目標に一人一人がやらなければいけないと思う。ただ、これだけたくさんの選手が欧州でやれているのも、先輩方がこれまで道をつくってくださったから。僕らもそういう道、また新たな道をつくっていけるよう、もっと欧州で活躍したいなと思う」
―香川選手も同じようなことを昨日話していた。責任感があると。
「責任感は僕ももちろんある。やっぱり引っ張っていかないといけないと、そういう存在でなければいけないという思いがある。自分が先頭に立って、松明(たいまつ)を持って先頭で走れるくらいの気持ちでいきたいなと思っている」
―W杯予選も岡田ジャパンのときに続いて2度目の経験になるが、欧州組が増えたことで日本代表に変化を感じるところはあるか?
「メンタリティーはもちろん上がっている。W杯を経験した選手も、(本田)圭佑なりが高い目標を持って、それを口にして一人ひとりがやれている。そのことは間違いなく今のパフォーマンスにもつながっている。4年前、僕もW杯予選を戦ったけど、そのときと比べてもやっぱりチームに安定感や、どんな状況でも落ち着きがあるし、点を取られてもひっくり返せるというそれくらいの自信がある。それは前回とまったく違う。それは僕も感じている」
―ラトビアの印象は?
「どんな相手か選手のことはあまり知らないし、強豪と呼ばれているようなチームではないが、ただ、やってみないと勝負は分からない。でも、強い相手ともっと試合をしたいですね」
―ラトビア戦はW杯予選のヨルダン戦につなげるような意識なのか。あるいはW杯本大会を見据えての試合になるのか?
「W杯予選もまだ3試合残っているけど、僕らが目指すのはW杯で結果を残すこと。そこしかない。予選は突破して当たり前とみなさんも思っているでしょうし、僕らも自分たちに期待をしている。そしてプレッシャーもかけている。だからこそ、親善試合からW杯を意識した試合をしていかないといけない」

●DF内田篤人(シャルケ)
「昨日は熱があったので……。何度? それは言えません。微熱? そうですね。練習着を着てバスには乗ろうとしたのですが……。でも、今日は(非公開になったあとに)一緒に練習しました」
―ここで無理をする必要はない?
「無理をする必要はないという言葉はあまり好きではない。やっぱり、お金をもらってプレーしていますからね。試合はまあ普通にやりますよ」
―ラトビアの印象は?
「デカい。でも普段(大きい選手と)やっているから変わらない。ヨーロッパに行ってからああいう相手は普通になった」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―準備期間の短い中での試合だが?
「今日来た選手もいるけど、少ない時間の中で今までやってきたことを思い出して、確認すること。新しい選手もいるし、3月のヨルダン戦に向けていい準備をしたい。前回から空いているので」
―ヨルダン戦のことも頭に入れた試合になる?
「相手のタイプも変わってくる。ラトビアは(身長が)高い選手が多い。中東というより、ヨーロッパというチーム。仮想とはいかないけど、チームとして戦うことは一緒」
―ロンドン世代の大津が初招集されたが?
「サッカーは他の競技と違って、真価が問われるのは、オリンピックではなく、この先になる。北京五輪のときも(3戦全敗という)悔しい思いをして、そこからたくさんの選手がA代表に入った。ロンドンでは6試合、貴重な経験ができた。それを無駄にしてはいけない。あの夏の勢いに乗った大津が見れればいいなと思う。キャラ的には問題ないと思うけど、今日はおとなしかった。でも、ピッチに入ったら臆するタイプではないし、心配はしてない。もうちょっと時間があればよかったけど、ピッチではガツガツ行くと思う。大津に限らず、ここからレギュラーを取っていかないと」

●DF水本裕貴(広島)
―昨年9月以来の代表復帰となったが?
「時期が時期というのもあるけど、また呼んでもらえてうれしい。チームとしても今年最初の試合。いい内容といい結果を狙っていきたい」
―試合に出たいと思うが?
「それは監督が決めること。チームにとって大事なのは、明日の試合をしっかり戦うこと。3月のヨルダン戦に勝てば(W杯出場が)決まるし、そのために明日の試合とカナダ戦といい形で戦いたい」
―代表生き残りのためにアピールも大事だが?
「確実にボーダーラインよりも下かもしれないけど、こうして呼んでもらえたことは光栄だし、昨日、今日、明日と、いいアピールができればいいと思う」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
―内田が体調不良で欠場する可能性もあるが?
「いつも準備はしている。でも今日は(内田も)動いていたし、全然分からない。出番が来たら、いつもどおり自分のやるべきことをやるだけ」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―今日合流して明日試合だが?
「集まるのは久々で、今年初めての試合だけど、僕らが見据えているのは3月のヨルダン戦。その準備として意識していかないといけない。パッと集まってやらないといけない試合。やることを確認して、3月の試合も見据えてやらないといけない」
―チームは成長していると感じる?
「昨年10月にはフランス、ブラジルともやれたし、方向性としては確実に成長している。個人の活躍がチームの成長につながる。代表はしばらく空いたけど、その間に個人としてどれだけ成長しているか。それを代表チームとして発揮するのにいい機会だと思う」
―南アフリカW杯のときは直前に正GKになったが、今回は立ち上げから正GK。気持ちの面で違いはあるか?
「代表へのスタンスは変わらない。代表は常に特別な場所。南アフリカのときも試合に出たい気持ちはあったけど、選ばれることを誇りに思っていたし、今も1試合1試合が勝負だと思っている。チームでも成長を示さないと、ポジションを取られる可能性はあるし、代表でも試合に出ているからどうこうというのはない」
―常に危機感を持っている?
「危機感を持つというより、練習でも試合でもどれだけ100%を出し切って、成長していけるか。ポジション争いは常にあるし、それがチームを強くする要素。今は自分が試合に出ているわけだから、いい意味で引っ張っていかないといけない」
―合流翌日に試合というのは?
「こういう日程も慣れてきた。コンディションもそうだし、メンタル的にも気負うことはない。でも結局は試合で100%のプレーを出せないと意味がない。(ベルギーに)帰ったらコンディションが落ちていることもなく、そこまで含めて準備しないといけない」
―明日の試合は内容にもこだわる?
「質にこだわらないといけない。代表は常に言い訳ができない。厳しい日程でも、常に高いパフォーマンスを求めているし、今までパッと集まったときにはいいパフォーマンスでできないこともあったけど、それを打ち破っていかないといけない」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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