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逆転勝利の浦和、最終節までF組突破の望みをつなぐ

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[4.24 ACL第5節 浦和3-2広州恒大 埼玉]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2013は24日、グループリーグの第5節を行った。F組の浦和レッズは、ホームで広州恒大(中国)と対戦した。前半24分にMF阿部勇樹がPKを失敗して決定機を逃した浦和は、同36分にはパラグアイ代表FWルーカス・バリオスに先制点を許す。それでも後半7分、FW興梠慎三のゴールで同点に追いつくと、その後も攻勢に試合を進める。同18分には阿部がゴールを決めて逆転に成功すると、同21分にもMFマルシオ・リシャルデスのPKで点差を広げた。終盤に1点を返された浦和だが、3-2で競り勝ち、グループステージ突破の望みを最終戦につなげている。

 浦和は出場停止のMF梅崎司に代わり、MF平川忠亮がスタメン入り。また、20日の大宮戦(0-1)で負傷したMF原口元気もベンチ外となっており、MFマルシオ・リシャルデスがスタメンに入っている。
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 決勝トーナメント進出のために勝ち点3が欲しい浦和だが、F組首位の広州恒大に対して攻めあぐねる。逆に前半15分にはMFダリオ・コンカに強烈なシュートを打たれたが、GK加藤順大が枠外へ弾き出した。対する浦和も17分に速攻から、MF平川忠亮がPA内までボールを運んでシュートしたが、ボールはGKに抑えられている。

 前半23分にはMF鈴木啓太のループパスをPA内で受けたMFマルシオ・リシャルデスが倒されて、浦和がPKを獲得する。これをMF阿部勇樹が蹴ったが、ボールは無情にも左ポストを叩き、先制点を挙げる絶好のチャンスを生かせなかった。

 チャンスを生かせなかった浦和は、27分には広州恒大の反撃に遭う。MFチャオ・シュリーのスルーパスを受けたMFムリキがPA内でシュートを打つが、これもGK加藤が好セーブ。その2分後にも後方から走り込んだMFチョン・チーにPA内でシュートを打たれたが、シュートはゴール左に逸れて行った。

 流れをつかめない浦和は、同36分に先制を許してしまう。DF森脇良太がボールを失うと、ムリキからバリオスにスルーパスが出される。GK加藤はPAを飛び出して対応しようとしたが、バリオスにかわれてしまい、無人のゴールにシュートを決められた。

 浦和も前半39分のMF柏木陽介を皮切りに、反撃に出る。同41分にはマルシオ・リシャルデス、同43分には槙野智章がPA外からシュートを放ったが、得点にはならない。ロスタイムにもMF宇賀神友弥のパスを受けた槙野がドリブルでPA内に入り、シュートを打つ。DFに当たり、ファーポストの方へと流れたボールに、マルシオ・リシャルデスも飛び込んだが、合わせることはできなかった。結局、浦和は同点に追いつくことのできないまま、前半45分を終えた。

 後半は立ち上がりから浦和がボールを支配する。後半7分には、左サイドから槙野がクロスを上げると、DFがクリアーしたボールを平川が回収。ゴール前に速いボールを入れると、興梠がゴールに流し込み、試合を振り出しに戻した。その後も攻勢の浦和は、同18分に槙野からの折り返しを受けた阿部が右足でゴールを決める。さらに3分後には、興梠がPA内で倒されて得たPKをマルシオ・リシャルデスが決め、リードを2点に広げた。

 思うように試合を進められない苛立ちからか、後半27分に広州恒大はマルチェロ・リッピ監督が、副審に向かってペットボトルを蹴って退席処分となる。指揮官の不在となった広州恒大に対し、浦和は同30分にもマルシオ・リシャルデスが右サイドから対角線上に放ったミドルシュートに興梠が飛び込むが、わずかに合わなかった。

 終盤には広州恒大の反撃に遭い、同42分にはセットプレーから、ムリキにゴールネットを揺らされる。一度はオフサイドと判定されたが、審判団は判定を覆してゴールを認めて、試合は1点差となる。勢いを取り戻した広州恒大は、同45分にも左サイドからのクロスにバリオスがヘッドで合わせたが、GK加藤がキャッチした。ロスタイムには広州恒大に退場者が出るなど荒れた展開になったが、最後の猛攻をしのぎ切った浦和が3-2で勝利を収めている。

 同グループのもう一試合では、全北現代(韓国)が2-0でムアントン・ユナイテッド(タイ)に勝利し、勝ち点を9に伸ばした。この試合を終えて、首位の広州恒大のGL突破は決定。さらに広州恒大と全北現代による一戦が引き分けに終われば、両クラブがGL突破になり、浦和の敗退は決まる。勝つためには、最終戦のムアントン・U戦に勝ち、なおかつ広州恒大が全北現代に勝たなければいけないという厳しい状況だが、最終節までグループ突破の可能性は残している。
(取材・文 河合拓)
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