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大宮FW富山と広島GK増田が救急車で搬送、意識は回復

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[5.6 J1第10節 大宮2-1広島 NACK]

 大宮アルディージャサンフレッチェ広島の一戦で前代未聞のアクシデントが起きた。1-1で迎えた後半39分、大宮はGK北野貴之からのパントキックが相手ゴール前まで抜けると、DF水本裕貴がヘディングでGKにバックパス。猛然と突っ込んだFW富山貴光が一歩早くヘディングで押し込んだが、直後にGK増田卓也と激しく衝突した。

 頭部同士がぶつかり、そのままピッチ上に倒れ込んだ両者は意識がなく、周囲にいた選手が慌ててドクターを呼んだ。ゲームは約20分間、中断。富山は担架でいったん控室に運ばれたあと、川越市内の病院に搬送された。一方の増田は衝突の際に首も強打。ドクターの判断でその場から動かさず、別の救急車がピッチ内まで入り、そのままさいたま市内の病院に緊急搬送された。

 大宮の広報によると、病院で検査を受けた富山は脳震盪と診断されたが、意識はあるとのこと。広島の広報によると、増田も意識は回復したが、脳震盪の疑いがあるほか、額と口の中も切っており、頸椎を痛めた可能性もあることから、同じく病院で精密検査を受けているという。

 広島は前節の名古屋戦でもGK西川周作が脳震盪を起こした。森保一監督は「増田は意識はあったと聞いているし、実際に足も動かしていた。ただ、シュウ(西川)のときも意識はあったが、アクシデントが起きてからのことはまったく覚えていないと言っていた。増田も(呼びかけに)反応はしているかもしれないが、意識は途切れているかもしれない」と心配そうに話した。

 西川の負傷もあり、この日がJ1デビュー戦だった増田。前半23分の決定的なピンチではFWノヴァコヴィッチのシュートを至近距離でセーブするなど好プレーを見せていただけに、早い回復を願うばかりだ。大宮のベルデニック監督も「両チームの選手がケガで運ばれて残念だ。全力でぶつかっている以上、サッカーでは起こり得ることではある。試合には勝ったが、残念だ。相手GKの交代が気がかりだ。早くピッチに戻ってくることを祈っている」と気遣っていた。

(取材・文 西山紘平)

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