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古巣相手に奮闘した柏MF狩野「やっとレイソルの一員に」

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[5.6 J1第10節 柏2-1横浜FM 柏]

 戦力外を受けた古巣との熱戦で、勝ち点3を勝ち取った。今季、横浜F・マリノスから柏レイソルに移籍したMF狩野健太。同じ攻撃的MFには、MFレアンドロ・ドミンゲス、MFジョルジ・ワグネルという2大看板が君臨し、さらにFW工藤壮人、FW田中順也、FW澤昌克、MF茨田陽生らも2列目としてプレーすることができる。当然、先人たちは“ネルシーニョサッカー”を知り尽くしている。狩野にとって、スタメンの壁は高いと思われた。

 しかし、チャンスはすぐにめぐってくる。ケガ人が相次ぐ中、第2節のFC東京戦(0-3)でスタメンとして出場。柏の2列目は守備の役割も多いため、攻撃でこそ活きる狩野の本領を発揮できなかったが、試合を重ねて徐々にフィットしてくると、その働きはジョルジ・ワグネルの穴を埋めるほどまでになった。そんな中、第5節の名古屋戦(3-3)で負傷してしまい、戦列から離れることを余儀なくされた。

 そして迎えた復帰戦が、横浜FM戦だった。05年に静岡学園から入団し、8年間過ごした古巣との一戦。当然、期するものはあった。

「試合前は全部の中の1試合と思っていましたし、試合中も自分のやらなければいけないことに集中できていました。でも、試合が終わったら込み上げてくるものがありました。やっぱり嬉しかったです」

 得点こそ奪うことはできなかったが、前半4分にはDF藤田優人へのスルーパスでこの試合最初の決定機を演出し、前半26分にはMF栗澤僚一のスルーパスを受けてシュート放つなど、「ボランチの裏で起点」(狩野)になり、柏の勝利に貢献。試合終了後には膝をついて勝利の喜びを表し、その後はユニフォームで顔を覆う姿も見られた。

 ミックスゾーンでは格別の勝利を噛み締め「やっとレイソルの一員になれたかな」と笑みを見せた狩野。リーグでの巻き返しを図る柏にとって、頼もしい選手が帰ってきた。

(取材・文 奥山典幸)

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