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デビュー戦で躍動した FP室田「もっとできないと思っていた」

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[5.15 国際親善試合 フットサル日本代表 1-5 フットサル・アルゼンチン代表 代々木]

 フットサル日本代表は15日、フットサル・アルゼンチン代表と対戦し、1-5で敗れた。前半は守備がうまく機能しなかった日本だが、後半は持ち直して主導権を握った。しかし、得点は終盤のFP仁部屋和弘(バサジィ大分)の1点に留まっている。

 結果だけを見れば、大差のついた厳しい数字が残った。それでも、日本にポジティブな側面もあった。後半のキックオフと同時にピッチに立ったFP室田祐希(名古屋オーシャンズ)の存在は、その一つだ。試合を観戦した横浜FCのFW三浦知良も「札幌で一緒にプレーした20番の選手も、ハツラツとして良かったよね」と振り返ったように、今シーズンの開幕を前に、北海道から名古屋へ新天地を求めた室田は、堂々としたプレーを見せた。ミゲル・ロドリゴ監督も「W杯に出ていなかった選手の中では、デビュー戦の室田が一番光っていたと思います」と高く評価した。

 試合を終えた室田は「負けてしまったので。自分は負けるのが嫌いなので、すごく悔しいです」と、唇を噛んだ。それでも、個人としては収穫があったと手応えも口にする。

「前半に出番がなくて、後半のスタートから名前を呼ばれて、持ち味のドリブルをどんどん出して行こうということで頭がいっぱいでした。何本かドリブルも成功できたので、収穫はあったかなと思います。もっとできないと思っていたので」

 実際に持ち味を随所に見せた。後半9分には連続して見せ場をつくっている。左サイドをドリブルで突破してチャンスをつくると、その直後にもFKの流れから、惜しいシュートを放った。

 世界トップレベルの相手から、得意のドリブルでチャンスをつくった室田だが、3月のスペイン遠征に参加するまでは、外国のチームと対戦した経験は皆無だった。外国人選手のリーチに苦しむドリブラーが多い中、初戦から対応できた理由を「スペイン遠征で経験できたことが大きい」と説明しているが、この1、2か月で急速な適応を見せている。ただし、本人にはまだ満足した様子はない。

「ドリブルもスピードで縦に突破しようと思っていたのに、相手が足を出してこなくて。それで迷った結果、とっさに体が動いて抜けただけで、自分で考えたプレーではないんです。今後はそういうプレーも自分のモノにできれば、もっと怖い選手になるのかなと思います」

 3日後にフットサル日本代表は、再びアルゼンチン代表と対戦する。その間に、どこを修正したいかと問われた室田は「まだ自分のプレーで頭がいっぱいなので、次の試合までに、チームでどうするかとかは分かりません。でも、4点目のキックインとかは自分の寄せの甘さから来たので、そういうところを修正して、今日のようにどんどん仕掛けられればと思います」と、代表2戦目に向けた意気込みを語っている。

(取材・文 河合拓)

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