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決定力不足解消の“秘密兵器”、工藤がA代表初選出

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 日本サッカー協会は23日、キリンチャレンジ杯・ブルガリア戦(30日、豊田ス)、W杯アジア最終予選・オーストラリア戦(6月4日、埼玉)に臨む日本代表メンバー26人を発表し、FW工藤壮人(柏)、FW東慶悟(F東京)がA代表に初選出された。

「これまでも何度も言ってきているが、若くて成長を見せてくれている選手には個人的にも注目している」。2人の初招集組について聞かれたアルベルト・ザッケローニ監督は、そう指摘したうえで、あえて厳しい言葉も口にした。

「一度呼ばれたからと言って、代表の常連になったわけではない。さらに成長してほしいと思っているし、この2人も例外ではない。こうした選手はこれまでもいたが、全員が成長を見せてくれているわけではない」

 初選出に満足することなく、さらなる成長を促すザック。これまでにも将来性に期待してA代表に抜擢してきた選手は数多くいるが、その後、定着できずに代表から遠ざかっている選手も多い。「私が就任した3年前と比べると、成長を見せてくれている2人だが、さらなる成長をこの2人には期待している」と力説した。

「今の年齢と能力を見ると、いいレベルにいると思うが、代表の常連になる実力はまだない」。厳しい言葉も期待の裏返しだろう。実際、昨年11月にFW宇佐美貴史(ホッフェンハイム)を招集した際も、同じようなコメントを残している。

 指揮官は工藤と東について「2人ともユーティリティーなプレイヤーで、複数のポジションでプレーできる。かつ成長を見せてくれている。2人に共通するのは、ゴールに向かっていくときに良さがあり、迫力を見せるところ」と指摘する。

 前日22日のACL決勝トーナメント1回戦第2戦・全北現代戦(3-2)で3戦連発となる5得点目を挙げ、柏の8強進出の原動力となった工藤は、J1でも得点ランキング2位タイの8ゴールを挙げている。抜群の決定力はJ屈指で、その貪欲さと向上心の高さは、ザッケローニ監督の期待にも十二分に応えるものだろう。

 まさかの最終予選初黒星を喫した3月26日のヨルダン戦(1-2)後、「最後の精度、決定力を高めないといけない」と嘆いたザック。日本代表の永遠の課題である決定力不足解消へ、柏のエースにかかる期待は大きい。

(取材・文 西山紘平)

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