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「僕はサッカーが大好きです」、藤田俊哉が国立競技場で送別試合

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[5.23 ほけんの窓口プレゼンツ 藤田俊哉送別試合 ジュビロ スターズ4-3ジャパン ブルー 国立]

 現役時代、磐田や名古屋で活躍した元日本代表MF藤田俊哉の送別試合が23日、国立競技場で行われた。スタジアムには2万705人が詰めかけ、名プレーヤーの最後の雄姿を見守った。両チームで10番を背負った藤田は、前半はジャパンブルー、後半はジュビロスターズでプレー。MVPを獲得する活躍で詰めかけた大観衆を沸かせた。

 J1リーグ通算419試合に出場し、MF登録の選手としては唯一の100得点を記録。日本代表としても国際Aマッチ24試合に出場。磐田で黄金期を築いたときのメンバーや日本サッカー界のスタープレーヤーが集結し、名プレーヤーの門出を祝った。

 ジュビロスターズの一員として先発したFW中山雅史が開始3分で途中交代。いきなり大歓声に包まれ始まった試合は、5分に藤田が起点になって生まれたFW大津祐樹(VVV)のゴールで幕が開ける。

 その後も押し気味に試合を進めたのは藤田擁するジャパンブルー。37分、今度は右サイドから上がったクロスをゴール前に詰めた藤田がヘディングで合わせる。シュートは右ポストを叩くが跳ね返りを左足で押し込み、リードを2点に広げた。

 後半から藤田はジュビロスターズでプレー。すると早速6分、PA内に侵入した藤田が中に折り返すと、FW高原直泰を経由して最後はMF川口信男が蹴り込み、ジュビロが1点を返した。勢いに乗るジュビロは10分、MF名波浩の浮き球パスで藤田が抜け出すが、これはGK土肥洋一が意地のビッグセーブで防ぎ、ゴールを割らせなかったが、その後も名波-藤田のホットラインが幾度も会場を沸かせた。

 後半、押され気味のジャパンブルーの松木安太郎監督は17分にFW三浦知良(横浜FC)を投入。20分からはMF中田英寿らをピッチに送り込み勝負に出る。しかし次の得点はジュビロに生まれる。28分、左サイドからFW武田修宏がクロスを上げると、走り込んだミュージシャンのGAKU-MCが押し込み、ついに試合が振り出しに戻された。

 さらにスター選手の共演は続く。32分、ジャパンブルーは名良橋晃に代わって、きょう挙式を挙げたDF吉田麻也(サウサンプトン)を投入。「ハッピーウェディング」と紹介されると、会場は大拍手に包まれた。

 直後に試合も動く。ジュビロスターズはPA内で名波がキープし、走り込んだ藤田にヒールパス。藤田のシュートはまたも土肥に阻まれるが、浮き球となってこぼれたボールが武田の足首に当たってゴールに吸い込まれるという“ミラクルゴール”が生まれる。代名詞とも言える“ごっつあんゴール”に会場は大爆笑に包まれた。

 37分からは中山がジュビロの一員として再び登場。すると39分、右サイドに開いた中山が中に折り返すと、フリーになっていた藤田が押し込み、勝利を決定づける。ジャパンブルーも43分に吉田のヘディングシュートがバーに当たって跳ね返ったボールを、ミュージシャンで柏レイソルジュニアユース出身のナオト・インティライミが頭で押し込み1点を返すが反撃もここまで。後半に藤田を擁したジュビロスターズが4-3で逃げ切り、送別試合に花を添えた。

 最も印象に残るプレーをした選手に贈られるMIP賞はナオト・インティライミが受賞。MVPには両チームで得点を挙げた藤田俊哉が選ばれた。

 試合後に行われたセレモニーであいさつした藤田は「多くの支えがあって元気にサッカーをやってこれました。10歳からサッカーを始めて30年間、サッカーに出会えて素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。僕はサッカーが大好きです。サッカーで多くの夢を見てきました。これからも大好きなサッカーで夢を見ていきたい」と第2の人生への豊富を語った。

 選手らの胴上げで見送られた藤田は、名残惜しそうに場内を一周し、ファン・サポーターへの感謝を示していた。

(取材・文 児玉幸洋)

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