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挙式後、送別試合に出場した麻也「忘れられない日」

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[5.23 ほけんの窓口プレゼンツ 藤田俊哉送別試合 ジュビロ スターズ4-3ジャパン ブルー 国立]

 結婚式を終えて送別試合に駆けつけた。この日、名古屋市内で挙式した日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は、東京・国立競技場で行われた元日本代表MF藤田俊哉の送別試合に後半32分から出場。得点につながるクロスバー直撃のヘディングシュートも放った。

 股関節痛でプレミアリーグのラスト3試合を欠場した吉田にとって、この日が4月27日のWBA戦以来、約1か月ぶりの“復帰戦”。26日から始まる日本代表合宿に向け、「良くなっているし、見てもらって分かるとおり、プレーもできる。代表合宿まで治療もする予定だし、できるだけ万全な状態で代表に合流できるようにしたい」と、順調な回復をアピールした。

 結婚式については「想像を超えたのがよかったです。ウッチー(内田篤人)のスピーチ? 想像以上によかった」と照れ笑いを浮かべた吉田は「今日は結婚式のことについては話しませんよ」と話を切り上げ、名古屋時代の大先輩である藤田への感謝の言葉を口にした。

 藤田とは、吉田が名古屋U18からトップチームに昇格した07年から2シーズンにわたってチームメイトだった。「1年目から(藤田)俊哉さんに目をかけてもらって、厳しいことも言ってもらって、そういうのがあって今がある。それがなければ、今ここに立てていたかも分からない」と、その存在の大きさにあらためて感謝した。

「周りに人がいるところで『こいつは代表に入るよ』『海外に行くよ』と言われてプレッシャーをかけてくれた。プレッシャーだけど、刺激になっていたし、活躍すればするほど、そういうことを言ってくれる人は少なくなる。僕にとって本当に貴重な存在です」

 自分の結婚式と藤田の送別試合が同じ日に重なったのは偶然だったという。藤田が、その経緯を明かす。「同じぐらいのタイミングでお互いに『実は5月23日にやるんだよね』って。それで『お前も?』ってなって。だったら、いっそのこと、お互いに集めて、『名古屋経由国立』でいいんじゃないかって」。

 藤田自身、早朝に東京を出発し、吉田の結婚式に参列。すぐに東京にとんぼ返りし、午後に国立競技場で行われた東京五輪招致に関するシンポジウムに参加した。そして夜には自分自身の送別試合にフル出場し、2得点。「僕のためにいろんな準備をしてくれて、僕より何倍もハードだったスタッフを見ているから、大変だなんて言えないよ」と白い歯をこぼした。

 吉田は「忘れられない日になりました」と感慨深げに言った。結婚式と送別試合。吉田にとっても、藤田にとっても、2013年5月23日が一生の記憶に残る1日になったのは間違いない。

(取材・文 西山紘平)

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