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長友が、香川が、本田合流を熱望

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 試合2日前としては異例と言える2時間もの長時間練習をこなしたあと、DF長友佑都(インテル)はさらに心肺と速筋を追い込む追加トレーニングを行った。

 早川直樹コンディショニングコーチとマンツーマンでステップやスラロームで一絞り。「オーストラリアに勝ってW杯切符を決めたい」という思いは予選突破条件とは無関係に、自らに課した“世界で戦うための条件”だ。

「コンディションはいい。膝も大丈夫。昨日良いミーティングができたことで、今日の練習はメリハリがあったし、本当に集中して練習できた。いい雰囲気で試合に臨めると思います」。長友の表情からは、ブルガリア戦後から数日間見せていた険しさは薄れ、ほどよい緊張感を醸し出していた。

 決戦を2日後に控える今、長友が最後の一押しとして熱望しているのはMF本田圭佑(CSKAモスクワ)のチーム合流だ。最終予選に向けての合宿が始まってからの1週間、長友にとって本田の不在は、戦術面でのマイナス要素以上にメンタルでのマイナスが痛かったようだ。その本田がいよいよ試合前日の3日に合流する。

「彼ならメンタルをコントロールして準備してくると思う。彼が入ることによってチームはメンタル的にも一段と引き締まると思う。彼が来たら、今の(チームの)状況や、これからの僕らが進むべき道について話したい」

 本田の合流を待っているのはFW香川真司(マンチェスター・U)も同様だ。

「(本田は)攻撃の中でうまく変化をつけられる選手。そういうところでの力はみんなが信頼していること」と言い、「オーストラリアに対しては僕ら前線からの守備が大事になる。セカンドボールを拾えるようにコンパクトにやりたい」と話した。

 本田不在で0-2の完敗を喫したブルガリア戦。チームは1日の討論ミーティングで引き締まりを見せ、この日の練習には活気が戻っていたが、長友の胸には「僕らはこの試合に勝たないとW杯に出られないというぐらいに追い込んでやらないといけない。絶対に負けられないという状況の相手以上に僕らがやらないと難しい」という危機感がある。長友も香川も、本田の合流を心待ちにしている。

(取材・文 矢内由美子)

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