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香川「強いチームになるには圭佑君のような選手が2、3人必要」

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[6.4 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア 埼玉]

 背番号10。所属はマンチェスター・ユナイテッド。周囲の期待、そしてそれに伴う責任感はとてつもなく強かっただけに、FW香川真司にとってW杯予選は「不完全燃焼」だった。

 3次予選、最終予選を通じて4ゴール。だが、そのうち3得点は8-0と大勝したホームのタジキスタン戦と、6-0とこちらも圧勝したホームのヨルダン戦でのもの。本田と長友を欠いた3月26日のアウェーのヨルダン戦でも1得点を決めているが、チームは1-2で敗れている。

「今日、課されたものはW杯を決めるものだったので、それを決められてホッとしています」とは喜びはしたが、「前半も後半も(得点チャンスが)あった中で決め切れないというのが今の自分の現状。力不足というか。もっともっとレベルアップしないといけない。世界でやる上ではこういう試合で決めておかないと。厳しい戦いのときに勝てない」と課題を口にした。

 ただ、悔しさと同時に、予選を戦う中で明確に持てるようになった目標がある。W杯優勝だ。

「出るからには、圭佑くんや、佑都が言っている通り、優勝を目指すことが必要。ただ、それをやる上では責任も伴ってくる。それに向かって取り組むという姿勢をチーム全員が持った中で、個人個人がもっともっとレベルアップしていかないといけない」

 予選を通じて感じていたプレッシャーについても素直に吐露した。

「代表を背負う上でプレッシャーは必ずついてくるものだし、増して今はみんなからの注目をすごく感じている。そういう中で結果を残せるかということにこだわってきたので、まだまだ足りない。代表を勝たせるという、もっと強い意志が僕にはまだ足りない。代表で期待されるところはチームより大きい。その中で、自分がどこまでできるか。だからこの予選は正直物足りないし、その期待に見合うプレーはできなかった」

 特にこのオーストラリア戦では、本田の質実剛健ぶりがまぶしく映ったようだ。「圭佑くんはこういうところで違いを生み出す。予選を通じて、そこの存在は大きかった。強いチームになるには、そういう選手が2、3人必要になってくる。自分も存在感をもっと出していけるように頑張りたい」。負けず嫌いの背番号10がきりっと1年後を見据えた。

(取材・文 矢内由美子)

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