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[総体]J注目FWオナイウ阿道擁する正智深谷、浦和北に4発逆転:埼玉

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[6.15 全国高校総体埼玉県予選3回戦 浦和北2-4正智深谷 埼工大G]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技埼玉県予選は15日、3回戦を行い、昨年度の全国高校選手権予選と今年の関東大会予選で優勝している正智深谷は浦和北に4-2で逆転勝ちした。正智深谷は準々決勝で本庄一と対戦する。

 J注目のFWオナイウ阿道やMF齋藤雄士(ともに3年)ら昨年の選手権メンバー半数を残す正智深谷。立ち上がりからボールを完全に支配して浦和北にプレッシャーをかけた。しなやかな動きでボールに関わるオナイウや齋藤、FW福井康太(2年)らがスペースへの動きを交えながらボールをテンポ良く動かし、両SBのオーバーラップも交えて左右からゴールヘ迫ると2分に左FKからオナイウが決定機を迎え、6分にはクリアボールに反応したMF岡部拓実(3年)が右足ミドル。さらに18分にはオナイウのスルーパスから岡部が決定的な右足シュートを放った。

 だが、先制したのはCB沖本隼也(3年)中心に守る浦和北だった。18分、自陣でボールを奪うと、MF長束奨奎(3年)が相手SBとGKの間にロングボールを落とす。相手の守備の乱れを突いたMF宮下寛太(3年)が、右足シュートを流しこんでチームに歓喜をもたらした。

 ただ、正智深谷は慌てずにすぐにゴールを奪い返す。23分、ポゼッションからボールを受けた左SB戸澤千空(2年)がプレッシャーの緩い相手の虚を突いてスルスルとドリブルで持ち上がると、そのまま右足ミドルを叩きこんで1-1とした。さらに34分には齋藤がPAへ送ったパスに反応したオナイウが左中間でキープ。この日マンツーマン気味に注目ストライカーをマークをしていた浦和北は前方を遮るが、それでもオナイウはわずかに空いたニアサイドへ右足シュートを叩きこんで逆転した。

 さらに38分には右CKのこぼれ球を福井が右足でゴールヘ突き刺して3-1とする。正智深谷は後半も8分に齋藤の左足シュートが左ポストを叩き、12分にもオナイウ、福井の連係で右サイドを崩し、2列目から飛び込んだ齋藤が決定的な右足シュート。ただ、メンバー交代で精度やテンポを維持することができず、勝負を決定付けることができない。逆に24分、ロングボールを宮下に頭でDFの背後へ落とされると、抜けだした10番MF北野春統(3年)に右足で決められて1点差とされてしまった。

 GK福田将大(2年)の好守など相手の猛攻に耐え、シュート2本で2点を奪った浦和北は一気に士気が上がる。ただ正智深谷は25分、右中間で獲得したFKを齋藤が右足でゴール左隅へ沈めて4-2。クロスを警戒する相手守備陣の逆を突く技ありの一撃で粘る浦和北を振り切った。

 相手に先制されても慌てずに逆転勝ち。ボールを支配して多彩な攻撃を繰り出し、試合をひっくり返した。ただ、決定機を逸して相手を仕留め切れず、逆に反撃を許してしまった。その点について小島時和監督は「上手いだけではダメ。強くならないとダメ。上手くて、強いチームになっていかないといけない」と指摘していた。

 正智深谷は昨年度の高校選手権予選で埼玉県北部のチームとしては児玉以来38年ぶりとなる優勝。全国選手権初出場を果たしたが、初戦で準優勝した京都橘(京都)にPK戦の末に敗れた。チームの目標は昨年よりもひとつ前進すること。その目標どおりに関東大会予選では初優勝を果たしたが、もっとたくましさをつけていかなければならないことを選手たちも感じ取っている。齋藤は「(選手権で)1回戦敗退になって、みんながそれを感じ取って、それ以上に行かないといけないという責任感を持っている。上手いだけではダメ。強くならないといけない。自分はまだまだ強さがチームに足りないと思う。個の部分でもチームとしても強さが足りないと思います。一人ひとりが個として強くなって、チームが成長して…全国を獲りたい」。まずは予選突破へ全力。技術の高さに加えて強さを発揮して全国へ進出する。

[写真]正智深谷は齋藤のゴールなどで浦和北に逆転勝ち

(取材・文 吉田太郎)
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