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岡崎が1トップで先発したのはなぜか

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[6.15 コンフェデレーションズ杯A組 日本0-3ブラジル ブラジリア]

 3-0で勝った2月6日のラトビア戦以来、ザック体制下2度目の1トップで先発したFW岡崎慎司(シュツットガルト)は、昨年10月16日のブラジル戦をケガで欠場していたため、今回が初のブラジル戦だった。

「1トップは直前に言われた」というが戸惑いはなく、「前線で裏を取っていくことを狙った」と何度も果敢に守備ラインの裏を突く動きを繰り返し、少ないながらも好機をつくった。後半4分にはMF清武弘嗣のパスに合わせてゴール前に飛び込む決定機。この試合の数少ない見せ場だった。

 アルベルト・ザッケローニ監督がFW前田遼一ではなく岡崎を1トップで起用したのはなぜか。それは、高さのあるDFダビド・ルイスとDFチアゴ・シウバの2人のCBを相手にした場合、単純なクロスでは跳ね返されるというスカウティングがあったからだ。

 指揮官は「岡崎を1トップに起用した理由は、相手のDFラインの特徴を考えて彼が適任だと考えたから」と説明。「相手の深いところまで行ってクロスをあげたときに、相手のCBは空中戦に強い。そこはあまりチャンスがないと判断し、裏に出すことにした」と話した。

 また、岡崎を1トップにすることで右に清武、トップ下にMF本田圭佑、左にMF香川真司という「2列目により技術レベルの高い中盤の選手を入れる」(ザッケローニ監督)という戦略もあった。岡崎自身も「裏を取っていくことで相手を引かせると、その分、(本田)圭佑とか(香川)真司とかが空くと思った」と、狙いが明確であったことを強調する。

 とはいえ、好機に決められなかったことはブラジルとの大きな差。「あれを決めていればという場面もあった。点を取るところで取らないと」と悔しさをあらわにしていた。

(取材・文 矢内由美子)

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