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「強いとは思わなかった」 強がりではない今野の本音

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[6.19 コンフェデレーションズ杯A組 日本3-4イタリア レシフェ]

 ワンプレーが悔やまれた。3-3の同点に追いついたあとの後半41分。DF今野泰幸(G大阪)のクリアが小さくなり、相手に拾われた。MFデ・ロッシのスルーパスにMFマルキージオが反応。右サイドを抜け出し、折り返しをFWジョビンコが左足で押し込み、決勝点となった。

「完全にクリアミスだし、判断ミスでもあった。たぶんフリーだったと思うので、もうちょっと余裕があればトラップして、ビルドアップを開始できたと思う。あの時間帯で判断がうまくいかず、ダイレクトでクリアするということだけが頭にあった。予想以上にパスが速くて、クリアが大きくならなかった」

 ミスを認め、自分を責める今野。何よりも3ゴールを奪った攻撃陣に対し、4失点の結果にDFリーダーとして申し訳ない気持ちが強かった。「自分たちのミスが大きかった。内容的に言ったら、勝たないといけない試合。もうちょっと守備陣が我慢すれば、勝てた試合だったと思う。ものすごく残念です」。

 FWマリオ・バロテッリに対しても体を張り、時にはファウルで止め、自由を与えなかった。「ものすごく強かったし、ファウルしないと止められないくらい強かったけど、シュートはそんなに打たれていない」。そう強調しながらも、「でも、今日は僕とバロテッリの勝負じゃなくて、日本とイタリアの勝負。チームとして勝てれば何も言うことはなかったけど、結果として4失点して負けているわけだから、負けを認めざるを得ない」と、結果を受け止めるしかなかった。

 イタリア相手にも怖さはなかった。「僕は強いとは思わなかった」。それは強がりでも何でもなく、試合をやっていて感じた素直な感想だった。「全然負ける相手じゃなかったし、俺らのサッカーをしていた。少しの油断なのか、少しの精度なのか、結果、4失点している」。1失点目はセットプレー。2失点目はDF吉田麻也の対応ミスだった。3失点目は不運なPK。そして今野のクリアミスからの4失点目……。イタリアの攻撃をうまく抑えている手応えがあっただけに、4失点という結果が悔やまれた。

「4失点したら勝てない」。そう言って唇をかんだ今野。「結果的に4失点しているし、結局、負けているので、まだまだです。もっとがんばらないといけない」。負けた気はしなかった。しかし、結果は変わらない。1年後のW杯本大会で同じ思いをしないためにも、今は目の前の現実を受け入れ、この敗戦を糧にするしかない。

(取材・文 西山紘平)

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