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23日ナビスコ杯決勝T突入!注目のC大阪FW柿谷、新たな武器「ナイキ ハイパーヴェノム」とともに初の頂点へ

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 2013Jリーグヤマザキナビスコ杯は23日、8チームによる決勝トーナメントへ突入する。4強入りを争う準々決勝は23日に第1戦、30日に第2戦を開催。初優勝を狙うセレッソ大阪のエースFW柿谷曜一朗がナビスコ杯ウィナーへ懸ける思い、そして新しい武器について語った。

 タイトルに飢えている。C大阪にとって、そして柿谷にとってもナビスコ杯は悲願の初タイトルへ向けた大きなチャレンジ。グループリーグを首位突破したクラブは、浦和と対戦する準々決勝から再び頂点への歩みを進める。今年こそ歴史を変える一年。「僕はタイトルを取ったことがないので、チャンピオンの気持ちを知りたい」と語った柿谷は「トロフィー、優勝、タイトルには残念ながら縁がない。でも、ボクがセレッソの代名詞というか、象徴と言える『8番』をつけた年にひとつ獲れたら最高かなと思うし、それがJリーグで獲れたら最高ですけど、タイトル獲れたら最高やなと思って今シーズンに臨んでいる。だからJリーグもナビスコもボクにとって、セレッソにとっても凄く大事な戦いなので楽しみですね」と腕を撫した。

 ここまでのチームの戦いぶりは充実している。グループリーグは4勝1分1敗。大会2連覇中の鹿島などを抑えてグループB首位で終えた。まずは第一関門を突破して8強入りしたが、本当の戦いはこれからだ。「最低限の、決勝トーナメントに進出することができた。でも去年はそこで終わってしまったので、まず去年以上、ベスト4に入るということを前提に取り組んで行かなければいかない」とエースは目の前の試合に集中している。

 C大阪の育成組織で育ってきた柿谷のクラブに対する愛情は特別だ。特に“ミスターセレッソ”森島寛晃氏への尊敬の念は他の誰よりも強い。今年からC大阪のエースナンバーである「8番」を背負うが、だからと言って森島氏に近づけたとは思っていない。今後も森島氏以上の「8番」になることはできないと理解している。「肩を並べることもできない。できないです。背はちっちゃいですけどね(微笑)。背中にタッチできるか、どうかじゃないですか。ボクが40までやって」。ただ今を全力で戦うことに変わりはない。「セレッソの『8番』というのは森島さんなんで。それ以上はないですし、似たものもない。ただ、今はボクがセレッソの『8番』なんで、自分というものを探りながらプレーで表現するのもそうですし、普段の生活、普段のサポーターへの気配りというのは自分にもできることがある」。「8番」の責任を全うするだけだ。

 J1ではリーグトップタイの9得点。うち3得点が決勝点で、同点ゴールも2点とチームを救う活躍を見せている。本人も今季の良い点について「決勝点を獲れていること」と口にする。周囲が「世界レベル」と称賛する技術と常に相手の逆を取ろうとする狡猾さ、そして視野の広さ。ひとつのトラップ、背後を取る動きから試合を決めるゴールを決めてきた。それでも本人はミスの多さを理由に「まだまだ」と語り、もっとチームで目立ち、もっとチームに貢献するつもりでいる。

 クラブのタイトル獲得のため、さらなる活躍を期す柿谷の下に新たな武器が届いた。本日、6月22日に一般発売がスタートしたニュースパイク「ナイキ ハイパーヴェノム」だ。コンフェデレーションズ杯で2試合連続ゴールを決めるなどブラジル代表を牽引しているFWネイマールやFWウェイン・ルーニー、FWズラタン・イブラヒモビッチらが着用している一足は、アタッキングサードで違いをつくり出すことを目的につくられた。近年は対峙するDFのスピード、技術が上がったことによって、アタッカーたちが簡単にDFを打開し、決定的な仕事をすることが難しい時代。その中で「ハイパーヴェノム」は足とボールの間の素材を減らすための新しい製法、「ナイキスキンシステム」を採用し、裸足のような感覚を実現するなど狭いスペースの中で速く動き、PAから速くシュートを放つことを追い求められている。

「ナイキ ハイパーヴェノム」は外見、パフォーマンスともに「革命的な」一足。柿谷も「裸足に近い感じですね。(このような外見のスパイクは)見たことないし、ちょっと気持ち悪いですけれども(微笑)、デザインやこの吸収性だったりは、“ヤンチャなスパイク”やなと思いますね。走っている時に『スパイクを履いていない』という感じはちょっと言い過ぎですけれど、スパイクで走っているっていうより裸足に近い。出足もそうですけど、より踏ん張れる。フィット感があるからこそ、強く地面を蹴れるというのはあります」と称賛する。

 ただし「(自分の足に合わせるまで)時間はかかります。試合で履くのはホンマにきょう自分が『これで行けるな』と思うスパイクやし、それはもうダサかろうが、絶対に大事やと思う」と言うようにナビスコ杯準々決勝でこのスパイクを公式戦デビューさせるかどうかは未定。それでも常に高いフィット感を求めている柿谷が「もっと足に合ってくれば、もっと強く蹴り込めたり、もっと自分の足をサポートしてくれるかなと思います」という「ハイパーヴェノム」は必ず自身、クラブを救う存在となるはずだ。

「今年、セレッソは全部のタイトルを狙いますけど、必ず何かひとつタイトル獲るので、それを全力で獲りに行く姿を見てほしいですし、その獲れたときの顔はみんな今まで見たことのないような顔をすると思うんで、特に昔から関わってきた選手たちは。その顔を見てほしいですね」と柿谷。自身はその歓喜の瞬間について「ボクは顔を隠してどこかへ逃げます」と笑ったが、「8番」は今秋、クラブに関わるすべての人に笑顔を届けるために「ナイキ ハイパーヴェノム」とともにさらなる輝きを放つ。

(取材・文 吉田太郎)

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