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一発退場に落胆の仙台GK林「引退までレッドをもらわないことが目標だった」

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[6.23 ナビスコ杯準々決勝第1戦 川崎F2-1仙台 等々力]

 ホイッスルが鳴った瞬間、自分のファウルが取られたとは思わなかったという。1点を追う後半32分、出場したばかりの川崎フロンターレのFWパトリックが最終ラインの裏へ抜けて来た。そこに送られて来たボールにベガルタ仙台のGK林卓人も反応し、先にボールに触れたはずだった。その直後にパトリックと接触したが、松尾一主審の判定はPKに加え、林の一発退場だった。

「明らかに(林)卓人が先にボールに触って、その後に足を出してきた。被害に遭ったのは卓人だった」と手倉森誠監督は、試合後も声を荒げた。林自身もやり切れない様子だった。

「ビデオを見返してくれたら分かることだと思います。自分の目標として引退するまでレッドカードを一枚ももらわないで引退したかったんですけど…。まさか、こういう形でもらうことになるとは…。でも、見る人が見たらちゃんとわかってくれると思うので。自分としては気持ちを切らさずに、次の試合は出られないと思いますが、1週間チームのためにできるように、切り替えてやっていきたい」

 悔しい思いのまま、一足先にロッカールームへ戻らざるを得なかった林だったが、後半ロスタイムにゴールを決めてくれたチームメイトたちに感謝した。

「次の試合、1-0でも勝ちあがれる状況を、(10人になった)ああいう状況からもつくってくれた。チームメイトには感謝していますし、1-0で行けるんだっていう雰囲気を自分もつくり出して、1週間やっていければと思います」

 GK林を準決勝に連れて行く。その想いは、この日、10人でもアウェーゴールをもぎとったチームの一体感を、さらに強くするはずだ。

(取材・文 河合拓)▼関連リンク
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